アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
21夢と現実
-
「おっ!!楓おはよーっ」
「あっ、若虎さん、おはようございます」
広間に行く途中、向こう側の奥から、若虎さんがぶんぶんと手を振りながら近づいてきた。
「卯月さんおはようございますっ」
「若虎おはよう。元気なのはいいけど煩い。」
ピシャリと若虎さんを叱った。
なんか冷たい……。
「すいませんッス」
その卯月さんに対して若虎さんは左程気にしていないようだった。
「あ、楓その着物似合ってんな!!」
「ありがとうございます」
俺の隣に着た若虎さんは袖をちょいと持ち上げ柄を見た。
「あー、俺にそういう堅苦しい言葉遣いはいいって。」
「で、でも……」
なんとなく『敬語』というのが身についてしまっていて、どういう風にいえば良いかが分からない。
「若虎でいい。多分歳も変わんないだろ?俺18」
「17……」
若虎さんは1つ年上だったのか……。
実はちょっと、テンションとかで判断してた。同い年か年下かとばかり…………
「な、敬語はおちつかないから」
「じゃあ……若虎……?」
おずおずと控えめに言葉にしてみる。
だけどやっぱりなんとなく気はずかしい……。
「それでよし。」
二カッと笑う若虎は太陽みたいだった。
*****************
「卯月さんおはようございます」
「卯月おはよう」
「あぁ、おはよう」
広間に入ると、背の高い茶色の髪の青年と、伊助さんが、卯月さんに声をかけた。
「お、楓も起きたのか。おはよう」
「あっ、ぁ、おはようございます」
卯月さんの後ろをひょいと覗き込んだ伊助さんが、にっこりと笑って挨拶をしてくれる。
「伊助さん、その子は……」
茶色の髪の青年がスタスタとこちらに歩み寄り、俺をじっと見てくる。
なんで皆こうもガン見が好きなのか……。
「この子は、昨日の夜に預かり始めた家出少年」
「楓……。はぁ……。ちっさ……」
ちょちょちょ、何さり気なくdisってんの!?
「ちっさくて悪かったですね……」
気にしてるんだからな!?
ちょっとムキになって、プイと顔を逸らす。
「おや楓、不貞腐れてるのかい?」
「そんなことで」
クスクスと笑う卯月さんに続き、伊助さんもポンポンと俺の頭を撫でる。
「おー、ほっぺた〜」
横を向いて、膨らました俺のほっぺたを若虎がツンツンとつつく。
「若虎っ、やめてってば!」
なんで俺ってこんなにからかわれるのかなぁ…。
ちょっと溜息をついて、自分より断然背の高い4人を見た。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
23 / 92