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25あたたかな現実
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「おっ、おい楓!?お前っ……」
「え……あれ……」
歪む視界が、慌てだした3人をそれぞれ捉える。
気づくとほっぺたは濡れていて、喉の奥がきゅうってなって……俺は涙を流していた。
「俺…………」
「なんだ!?どうした」
「俺、ここにいたい……。ここで、みんなと暮らしたいっ────!!」
震える声と共に、感情を吐き出して────
気づいたら、若虎が俺に抱き着いてて、伊助さんが俺の頭を撫でてて、卯月さんが涙を拭ってくれていた。
あったかい────
「じゃあお前は今日からうちの裏方だ。気張って働け」
「楓〜っ!!よろしくなぁ〜!!」
「また一つ賑やかになるねぇ」
こうして俺は、今日から吉原一の遊郭『珠蘭屋』
一員となった────────。
直後、抱き着かれたり、抱き着いたりしている光景を、何処からか戻ってきた邦之が見て───
「失礼しました」
とだけ言って襖を占めていった。
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