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「泉…ほら…好きって言えよ」
「ん…ふっ…そんなこと」
後ろから俺を抱きしめると顎に手を添え、舌を絡め取って、俺の言葉を促す。
心臓が煩くて止まらない。
「ほら、もっと気持ちよくなりたいだろ?」
頬や首筋に何度もキスを落としていくと、指を絡め取って、見せつけるように舐めた。
「遊星、本当に恥ずかしいからやめてよっ」
「じゃあ俺のものになるんだな?」
うなじに吸い付くと遊星がフッと小さく笑う。
この恥ずかしさから逃れる為に、今すぐに好きの二文字を口に出してしまいたくなる。
俺は本当に遊星の事が好きなのだろうか….
自分の気持ちがよくわからなくなってきた
必死に遊星のセクハラ攻撃に耐えていると、小さなため息が聞こえた。
「はぁ……タイムリミットだな」
俺の頭を撫でると小さく呟いて離れる遊星。
背中に伝わっていた温かい体温がそっと無くなっていく。
ガチャリ
「………あれ?先輩方まだいらしたんですか?」
パッチリした二重をさらに大きくさせて、驚いた表情を見せる浅川君。
Tシャツに短パンとラフな格好をしている姿を見ると、1度寮に帰って戻ってきたのだろう。
「あ、浅川くん……」
「久川先輩、そんな縮こまってどうしたんですか?なんか小動物みたいですね」
クスクス笑いながら浅川君はいつも座っている机まで近づいていく。
あぁ…俺のBL受け要員浅川君。
今凄く君が天使に見えるよ。
「……あっ、あったあった!作業しようと思ったんですけど、USB忘れちゃって」
「お前は本当に気が抜けてるな。いつもちゃんと確認しろと言ってるだろ」
「す、すみません会長。でもちゃんとUSB持って帰るので、これでバッチリです」
1番忘れちゃいけないものを普通に忘れてしまうドジな浅川君に思わず笑ってしまう。
ニコニコ笑って帰ろうとする浅川君の腕を急いで引き留めた。
「お、俺も一緒に帰っていい…?」
このタイミングを失ったらまた遊星と2人きりになってしまう。
それだけは避けなければ。
「えっ?い、いいですけど…先輩、あれどうしたんですか?」
浅川君の指差した先には、俺の机の上でぐちゃぐちゃに広がる教科書達と床に可哀想な形で倒れている濡れた鞄。
「こ、紅茶を溢しちゃって…疲れてるのかなーなんて」
「久川先輩大丈夫ですか?先輩は頑張りすぎなんですよ。今度甘い物でも一緒に食べにいきましょう?」
女子みたいな元気付け方だが、浅川君のその優しさが今の俺には凄く染みた。
時間が経って殆ど乾いている鞄に急いで教科書を詰めていく。
ちらりと遊星を盗み見ると、いつの間に用意していたのか、こちらを見ながら何事もなかったかのように紅茶をすすっていた。
慌てているのって俺だけなの!?
さっきまであんなに恥ずかしい事をしていたのによく平然と…
「じゃあ、会長。俺達は先に帰りますね。会長もあまり無理はしないでください」
生徒会室の扉がゆっくりと閉まっていく。
その隙間からは、眼鏡を軽く上げて妖しく笑う生徒会長の姿が見えた。
教訓-----
あまりやらしいBL本を作ると、いつか身を滅ぼす
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