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洋菓子店タートル →side uno
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病院で精密検査をしてもらったが、骨にも脳みそにも異常はなく、頭の傷は血が他のとこより出やすいらしい。
石頭が、吉と出たのか。
今日はチームのたまり場には寄らず、直行であの洋菓子屋へむかった。
昨日は暗くてよく見えなかったが、緑のシマシマの屋根に、亀のイラストが書かれた看板がさがり、カタカナでタートルとかかれている。
ちょっと古い感じだよな。
中に入るかどうか、ちょっと迷いながら店の中を覗きこむ。
女の子とかいっぱいいたら入れないな。
まあ、そん時は昨日教えてもらった裏口から声をかけるか。
中には、5人。
ひどく人相が悪いし、いずれも怪我人のようだ。
って、アレは昨日のヤツらだ。
営業妨害だよな。
ずっと久亀は、絡まれていたってのか。
危なっかしくて見てらんねーな。
オレは、何食わぬ顔をして店に入って中を見回す。受話器に手をかけている様子から、警察でも呼ぶ気なのかもしれない。
さっさと片付けてやるかな。
「あァ?アンタら昨夜のヤツらじゃね?オレのアタマどーしてくれんだよ。ちょっと悪くなっちまっただろ?慰謝料払えよ」
この中で仕切ってそうな態度のヤツの胸倉を掴んで、オレは自分の頭を指さす。
男達は、昨夜乱闘した相手だと気がつくと、オレの腕を引き剥がして、外を指さして一斉に逃げていく。
つまんねーな。大人のくせに。
久亀は驚いてオレを見て立ち尽くしているようだ。高校生とは思ってなかったという表情である。
「久亀サン、今日も絡まれてたんだ。ダイジョウブ?」
首を傾げで問いかけると、彼は大きく息を吐き出して頷いた。
「あれ、営業妨害だろ。ちゃんと被害届けだせよ」
「また、君に助けられたよ。」
白衣姿でオレの目の前まできて、頭をさげる。
高校生相手に腰が低すぎるよな。
「別に大したことしてねーよ。オレはご褒美目当てできただけだしな」
昨日食べたパフェの味が忘れられない。
どんなに、恥ずかしくてももっと食べたいと思ってしまう。
「ちゃんと、病院にいったんだね。良かった。ちゃんと、用意してあるから。お店の奥に入ってて」
久亀は、オレをカウンターの中に誘うと、昨日のリビングへと通してくれた。
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