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出し抜いた快感
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「な、なんでそこに冬夜が!?」
面食らったような表情は、見事に何時もの気味の悪い仮面が剥がれている。
それが全部俺の策略だって思うとすっごく快感。
「なーんででしょうねー」
「その顔、絶対知ってるな。本っ当に可愛くない」
自分自身に可愛さなんて求めてないし。
まぁ、ここまでお膳立てして何もできませんでした、なんて言ったら冬夜もここに置いていくけどね。
「看守は何やってんの。ってあー、ミカいないんだっけ。ったく……」
自分の下だと思ってた相手に出し抜かれ、腹心がいなくて指揮系統もうまく働かない。
全部自分が招いた結果だけど、苛立ちを隠しきれない様子の神。
あー、おもしろ
「ちょっと、どこに行くんです?」
「んー?別に関係ないでしょ」
「ダメですよ、離しません」
「そういうのはベッドで言って欲しいかな」
こんな時まで取り繕おうとする神にはもう脱帽というか。
でも、行かせない。
「しーっかり見ててください。うちの息子、大きくなったでしょう?あ、そうそう、貴方の言っていた”お客さん”は誰ひとりとして来ませんよ」
って言っても多分そんなに時間はない。
早くしなよね、冬夜。
▽
「ウリエラ、会いたかった」
その細い身体を折れないように大切に、でも力強く、抱きしめる。
その身体はそれでも暖かくて、生きているんだと。
「もう、来てくれないと思った。僕のことを、もう好きじゃないのかと思った」
好きじゃないなんて、そんなわけない。そんなの、あるわけない。
「バカ。どんなお前でも愛すって言っただろ」
「でも僕、汚れちゃった。ほら、分かる?僕、こんなに汚い。汚いんだよ、冬夜……」
「汚くなんてないし、お前は汚れてない」
「じゃあ舐めて?隅々まで舐めて。僕のことが汚くないって言うんだったら。……全部冬夜で上書きしてなんて、言わないから、お願い」
どうしてそうなる。
それでも涙を零しながらそういった彼は、もう少ししたら崩れてしまうんじゃないかってくらい儚くて。
伸ばされたその指に口をつける。
どこの誰だかわからない男の精液なんて、気持ち悪い。
でもそれ以上に、きっとここでひとり、何人もの男を相手にしたウリエラは怖かったんだろう。
「大丈夫だ、汚くなんてない。確にお前を襲った変態には腹立つけどな。ウリエラ、帰ろう、家に」
これ以上とどまりたくなんてなかった。
俺の舌に敏感に反応するウリエラ。他の男にもそうやって感じてたのかなんて思うとイライラする。
早く帰って風呂に入れてやろう。
タダでさえ小さく感じる彼を抱き抱え、立ち上がる。
繋がれていた鎖は案外もろく、すぐに壊れた。
あぁ、気持ち悪い
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