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紅いワイン
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ガチャリ
家のドアを開け、少年を部屋に招き入れる。リビングにあるソファーに彼を座らせ、俺はワインを準備しにキッチンへと向かった。
ワインを手に取ろうとしたとき、ふと思う。彼の名前を聞いていない。
「そういえば名前教えてなかった。俺は冬夜。お前は?」
「そういえばそうでしたね。僕はウリエラ。ウリエラ・クロスフォードです。」
ふーん。ウリエラ…ね。
普段は名前なんてどうだっていい。どうせすぐになくなってしまうのだから。でも、今日はなぜだか気になった。ただの気まぐれ。それ以外の何物でもない。きっと。
「やっぱり、日本人じゃないんだな。」
「そうですね。この土地の血は入ってません。」
グラスを2つとワインボトルを持ってリビングに入る。彼、もといウリエラの隣に腰を下ろし、ワインをグラスに注いだ。
ウリエラは瞳を輝かせて注がれるワインを眺めていた。
「二人の出会いに乾杯」
恋人にでも吐くような甘い台詞と共にワイングラスを手渡す。
「ふふ。そうですね。乾杯」
そう言ってウリエラはワインに口をつけた。
口の中で転がすように楽しんだ後、喉の奥に流す。嚥下するときに上下する喉仏。ワインを口に運ぶ度に上気する頬が、潤んだ瞳が、潜んでいた情欲をかきたてる。
「冬夜さん。これおいし…んっ」
次の瞬間、俺の口唇が彼のそれに重なっていた。
ウリエラの瞳が突然の行為に対する驚きを物語っていた。直前まで飲んでいたワインがふわりと香る。
もっともっと味わいたくて、わずかに緩んだ唇に舌を滑り込ませる。
「んっ……ふぁ…んんん」
唾液も吐息も、すべてがとにかく甘くて。ファーストキスであったかのようなウリエラのぎこちなさも甘さを引き立てるスパイスだった。
酔ったかのようなふわふわとした感覚。理性がもう耐えきれないと警鐘を鳴らす。
今夜は本当に最高。
舌を絡ませて、片手で彼の着ていたワイシャツのボタンを外していく。それにすら気づかないほど、彼は快楽に溺れていた。
口唇を開放し、今度は彼の首筋の輪郭をなぞるように舌を這わせる。ゆっくり、ゆっくりと。顎の先から首筋、鎖骨と舌でなぞっていく。
「ふ…んんん……ぁっ……やぁ!」
ヴァンパイアの唾液に含まれる催淫作用のせいで、そんなわずかな刺激にも、ウリエラは身を震わせる。生娘のように声を抑えながら悶える姿はこれ以上ないほど扇情的だった。熱を持ってしまったそこを隠すように動かした手を掴み、阻む。
どこかで切ったのだろうか。その細い指にはほんのわずかに血が滲んでいた。想像以上に甘い血の匂いが、最後の理性を砕いた。
それじゃ、いただきます。
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