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反抗期
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長期の休養を取って、久しぶりに家に帰る。
可愛い息子と可愛…くはない堕天使くんはきっと家にいる。
前に帰ったのはいつだったか。
多分あれ以来かな、天使くんを飼い始めて彼が春陽と打ち解け初めた頃。あの頃も忙しくて、すぐに家を出なければならなかった。
春陽にはデレデレなのに俺に敵対心をむき出しにしてくる天使くんが面白くて、何度手を出そうと思ったことか…。
本来なら明日、朝からゆっくり出るつもりだったけど、色々楽しみで、早々に出てきてしまった。
ふふ。
そういえば今は春陽じゃなくて冬夜か。
もう月蝕も終わったし、多分吸血衝動も収まってる。家にいるかな。
ほんの少し冷たい夜風が気持ちよくて、駅から歩くことにした。駅の裏には眠らない街がある。いつでもライトが輝いていて、昼かと思わせるほど明るい。
そこを抜ければいつも冬夜が狩場にしているバーがある。時間もあるし、そこで時間を浪費するのも悪くない。
カランッ
久しぶりに入ったその店は、あの頃と何ら変わりなかった。まだ若い頃、俺もここに通いつめていた。
ゆっくりとグラスに入った酒を煽っていると、また1人店に誰かが入ってきた。
冬夜だ。我が息子ながら、綺麗に育ったと思う。ヤケになっている風でもあるが、その僅かに漏れる暴力性が、今夜限りの魅力となっている。
1人の女、あの子の好まなそうな下品な娘を連れて店を出るあたり、食事の為ではないのだろう。面白そうだからつけてみることにした。
ホテル街に消える2人を見送った。
「はあぁ。こんなに気づかれないとか…もしかして反抗期?ふふ。今日はどっかに泊まるかな。」
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