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帰宅
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「たっだいまー」
突然バンッとドアが開けられたのは、早朝。驚いて玄関に走る。その犯人はもちろん
「父さん!?」
そう。仕事で長い間家を開けていた父さんだった。
「ただいま。春陽、ちょっと背伸びた?」
「おかえりなさい。ってなんで帰ってきてるの?仕事は??」
「ふふ。お休みしてきちゃった。それより天原くんは?」
お休みって…絶対サボってきた。柏木さんに申し訳なく思いながら、久しぶりの父に懐かしさを覚えた。
「灰吏さんなら多分すぐに…」
バタバタ
「秋人さん!?なんでここに!?!?」
「あっはは。2人で同じ質問してる。そうそう、天原くん、君には話があるから後で俺の部屋に来てよ。」
「それと…新しい子もいるね。誰?」
父さんは目ざとい。微かに感じる他人の気配にも逐一気づく。
「え…っと……」
「春陽?誰?こんな時間に…」
ウリエラが入ってきてしまった。
一瞬場の空気が凍りついた。普段あまり表情を変えない灰吏が顔を引き攣らせていた。しかし父の目は細まり、唇は弧を描いている。この場の空気になんとも似つかわしくない、楽しげな表情。
「はじめまして。俺は御門 秋人。春陽と冬夜のお父さんだよ。あと、君のお兄さんの飼い主。って言い方は良くないかな。天原くんのご主人様だね。」
そう。父は昔からこういう人間だった。困惑するのを分かってて、わざと何か仕掛けてくる。しかもそれを楽しんでいるという性格の悪さ。
「父さん、なんで知ってるんですか!誰にもウリエラのことは言ってないはず…」
「ふふ。ウリエラくんも後で俺の部屋に来てよ。お兄ちゃんと一緒にさ。」
そしてわざと話を無視する…。
「俺は1回寝るから。じゃあまた夜にね。」
父の嵐のような帰宅だった。
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