アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
困惑
-
「ふぁあ。 なんなの、こんな朝早くから。ホント非常識。」
早朝、なにやら大きな音が聞こえた。
昨晩は冬夜と……その…色々あって、その後兄さんにおぶわれたところまでしか記憶が無い。それでも幸せな微睡みを妨害した罪は重い。
バタバタと部屋を出ていった春陽が戻らないのを何かあったのかと考えた僕は、ほんの少しだけイライラしながら音源である玄関に向かった。
玄関に入る前に聞こえた声は3人。春陽と、兄さんと、親しげに話す声は春陽とソックリで、しかし若々しい。
「春陽?誰?こんな時間に…」
僕が出ていくと、場の空気が固まった。兄さんの顔は引き攣っていて、春陽も気まずそうな顔をしている。早朝の来訪者はなんだか楽しげで、その顔も春陽に似ていた。
「はじめまして。俺は御門 秋人。春陽と冬夜のお父さんだよ。あと、君のお兄さんの飼い主。って言い方は良くないかな。天原くんのご主人様だね。」
そっか。お父さん。
え、お父さん!?
父というには若すぎる見た目のその男は、春陽と兄弟と言っても過言ではないほどだった。
しかも飼い主ってどういうこと?
知らなかったショッキングな事実が次々と出てきて、頭の中がパニックを起こす。
「父さん、なんで知ってるんですか!誰にもウリエラのことは言ってないはず…」
「ふふ。ウリエラくんも後で俺の部屋に来てよ。お兄ちゃんと一緒にさ。」
遠くで親子がなにか言い争っていたが、グルグルと働かない思考を必死に巡らす僕には届かなかった。
「俺は1回寝るから。じゃあまた夜にね。」
いつの間にか玄関には、静寂と僕と春陽と兄さんが取り残されていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
27 / 238