アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
愛の形
-
「なぁ、血、吸っていい?」
昨日のことをウリエラがどう思ってるかとか、血が足りてないんじゃないか、とかそんなことは綺麗に消えていた。
そこに残ったのは、あの欲求。
「え?でも、身体が…」
春陽は俺の身体を気遣ってくれている。
でも、それよりも、血を吸いたい。
俺のものだって印をそこら中に付けて、縛り付けたい。
まずはあの忌々しい痕に被せるように牙をあてがう。記憶が消える訳では無いから。せめて、傷跡だけでも塗り替えよう。
「んっ…ぁあ、、」
牙が進むほど、口から漏れる甘い声。
芳醇な香りを放つ血は、人間のものとは比べ物にならなくて。
何度も何度も、頭の中の黒い欲求を満たすかのように、俺の証を残していく。
血がとろりと固まってきて、ウリエラの限界を告げる。ふと、唇が何かを告げるように動いた。
「冬夜ぁ、、、好き……」
思考が止まる。
素直に、嬉しい。
この数日、ウリエラに依存してしまっている俺がいることを、まざまざと見せつけられてきた。
でも、この気持ちを恋だというなら、きっとそれは歪みすぎている。
名前をつけるなら多分、執着。
ウリエラに対しての、深い深い執着。
でも今は、この時は、この歪んだ想いを、一種の愛の形だと思いたい。
この穢れを知らない純白の天使と歩む幸せを、少しだけ想像してしまったから。
大きな瞳を覆う瞼にキスをする。
「俺も…愛してるよ、ウリエラ。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
50 / 238