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診察
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「お待ちしておりました。薬利先生。」
「もう!エルって呼んでっていってるじゃない。
そういえば、今日アタシを必要としてるのはひな?」
少し響く声で騒がしくまくし立てる。
「いえ、今日は別の人なんです。」
「まっまさか女じゃないでしょうね!女なんかアタシ、絶対に治療しないわよ!!」
「なんですか、その理論。違いますよ。私の弟ですから。」
「えっ、あなた、弟なんていたのね!よし、テンション上がるわ!!ねぇ、その子今意識は?」
ようやく医者モードに切り替わったらしい。
「ありません。」
「そう、じゃああなたから聞くしかないわね。あなた、天使だったのよね。その子は?もう堕天したの?」
「いいえ。まだ儀式は行われてないので、天使です。」
「そう、天使ちゃんなのね。症状は…見て確認した方が早いかしら。」
「ご案内しますよ。詳しいことは春陽に聞かれた方がよろしいかと。」
淡々と受け答えをしていたように見えるが、内心不安で不安で仕方なかった。
ウリエラの部屋に着いた時、私は部屋に入らなかった。否、入れなかった、という方が正しいだろう。ウリエラがどんな状態になっているのか、確認するのが怖かった。
つくづく自分は意気地がないと思う。
暫くして出てきた春陽ともなんの会話もないまま、再びリビングへと戻った。
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