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病床
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あれから1時間、
大量の荷物と共に帰ってきたエル。の後ろにいた1人の青年。
歳は僕より少し上ぐらいだろうか。少し長めの前髪を横に流した爽やかな好青年。
「エル、僕は泊まることは許可してあげるけど、男を連れてきていいとは言ってない。」
「男?あぁ、この子ね、助手よ、アタシの。どこから来たのかーとか全然分からないんだけど、とにかく知識がすごいから、お手伝いしてもらってるのよ。しっかり働いてくれるから助かってるわー。」
すごく怪しい。
なにがって全部。
素性を明かせないのに傍に置いておくというエルの危険極まりない行為も謎。
「えーっと、どうも、神崎 創汰です。薬利先生の助手をさせて頂いてます。今日は宜しくお願いします。って怪しいですよね、俺。」
たはは、とこれまた爽やかに笑う。
彼はどこか人を安心させる雰囲気を持っていて、この短時間でもうすでにここの空気に溶け込み始めていた。
「よっよろしくお願いします、神崎さん。」
「創汰でいいですよ!えと…」
「あっ、春陽です。御門 春陽。こっちが灰吏さん。……っと、創汰さんの部屋はどうしましょうか。エルの部屋はウリエラの部屋の横にしてあるけど…。」
「んー。俺は薬利先生の部屋の隣あたりをお願いしたいかな。助手として早く駆け付けられた方がいいでしょう?無理なら最悪、薬利先生と一緒でもいいですよ。」
「ちょっと!最悪ってなによ!!」
「せんせ、話がややこしくなるのでちょっと静かにしてもらっていいですか?」
「ふんっ。黙ってればいいんでしょ、黙ってれば!」
やけにエルの扱いも上手い。本当に何者なんだろうか。
「灰吏さん、エルの隣の部屋って空いてるよね。」
「はい。そちらを準備しておきますね、神崎さん。」
「よろしくお願いします!」
「ごほんっ。そろそろいいかしら?
天原くん、創の部屋の準備が終わったら、アタシの部屋に来てちょうだい。あなたも診察しとくわ。」
エルの言葉を最後に、その場はお開きになった。
灰吏は部屋の準備の前にウリエラの様子を見に、エルは創汰さんと、準備ができるまでリビングにいるつもりらしい。
夕方、僕と冬夜の曖昧な時間はもうすぐそこ。
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