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変化
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「ウリエラ、今ひとりでいるのかな。」
「ん?そうじゃないみたいですよ?」
創汰さんが指さしたのは、エルが開けっ放しにしていったドア。隠れているつもりなんだけど、隠れきれていない服の裾がチラチラと覗いている。
「ウリエラくん、なにそんなとこに隠れてるんですか!こっちきて皆でお話しましょうって。」
「ちょっと、引っ張らないでくださいよ!わわっ!」
創汰に引っ張られ、バランスを崩したウリエラが、ドンドンこちらへ。
「え、ちょっと、ウリエ…っんむ!」
ベッドの端でつまずいて、さらに加速する。僕は思わず目ぎゅっと瞑ってしまう。そして…。
僕の唇に、突然走る衝撃。
伝わってきた刺激に、上手く働かない頭。
なんか、柔らかい?
状況を確認しようと目を開けると、目に入る艶やかな金。
「んっ…わっ!春陽ごめん!すぐどくから」
一拍遅れて幕が上がった、ウリエラと視線が合う。
その瞬間、記憶が飛んだ。
▽
「えっ!?何してるの、春陽!…んっ……ふぁ………」
離れようとするウリエラの腰を抱いて、再び引き寄せた。されるがままに近づいてくる彼に、噛み付くようにキスをする。
「酷いよな、俺と春陽を間違えるなんて。しかも俺が起きる時に膝の上にいるってことは、ひなを襲ってたの?そんなに俺じゃ物足りなかった?」
唇を離して、俺の膝の上に座っているウリエラを、上目遣いに見る。
真っ赤な顔で、瞬きもできないほど驚くその顔は…ハッキリ言ってすごく面白い。
「な…ななななんで冬夜が居るの??」
「はぁ?だってもう夕が……。灰吏、今何時?」
辺りを見回すと室内は人工的でない光に満ちていた。しかも俺がいるベッドの周りには灰吏と見知らぬ誰か。
皆一様に驚いた顔をしているし、その変な男に至っては、手で顔を覆うようにしながらも、ちゃっかりと指の間から覗いている。
「…え、あ、はい。今は"午前"十時を少しすぎたところです。」
おかしいとは思った。
いつもとは違う、無理やりたたき起こされるような目覚め。
それによくよく考えてみれば、起きた時に俺の周りにこんなに人間がいる訳が無い。
「なんで?」
俺の問はその場の変な空気にすべて吸収された。
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