アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
変化 2
-
「でも冬夜、髪の色は春陽と変わらないですよね。」
「いや、所々黒が混じってるよ。」
「瞳もオッドアイみたいになってますね。」
謎の変化から早くも1時間が経とうとしていた。3人に囲まれ、俺の観察が始まっている。
「冬夜さんって最初からオッドアイではなかったんですよね?」
「そうだけど…。なぁ、聞いてもいい?誰?」
そう。さっきから俺のことも、まぁ、もちろん気になってはいるんだけど、それよりもコイツ。
ちゃっかりウリエラと灰吏に紛れて当たり前のように俺の部屋にいるけど、滲み出る胡散臭さは消せないし、何故か嫌な感じがする。
「神崎 創汰って言います。薬利先生の助手をしてます。えーっと、宜しくお願いします?」
「何者?」
「冬夜、それはいいから早く離して!ずっとこの体制とか、恥ずかしい。」
ずっと抱きとめたままだったウリエラの存在を思い出し、言われた通り解放してやると、熱が一気に奪われるような喪失感が俺を襲う。
そしてウリエラのある種強引な話の転換の仕方。なんとなく違和感を感じるけど、理由がわからないから何も言えない。
「いっつ…。あ、血が出てる。」
若干芝居がかったような口調。でも、久しぶりに見た血に、本能が騒ぐ。
「もったいない」
気がついたらその得体の知れない人物の手を取り、その魅惑的な液体の零れる指を加えた。
「っはは、やばい、俺、これ癖になりそうです…。」
人間でもない、でも同族でもない、おかしな味がした。どちらかというと天使に近いんだけど、なんというか、もっと濃い。
「っはぁ。お前本当になんなの?」
「ん?やだなぁ、ただの神様ですよ!」
まさかのカミングアウトはやけにあっさりしていて、聞き流しかけた。
「そう、ただの…。ってカミングアウトしちゃっていいんですか!?」
事実を知っていたのか、ウリエラが大仰な態度で驚く。
「まぁまぁ、薬利先生にバレなかったらいいですよ、別に。そうそう、冬夜さん、何か異変が起こったら、ちゃんと教えてくださいね。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
75 / 238