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純潔
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「そこ?前立腺。そういや天使も変んないんだな。カラダは。」
彼は僕以外のカラダも知ってる。
そんなある意味で当たり前で、心のどこかで僕が否定したがっていた事実がその言葉に含まれている気がした。
それでも動作はすごく手馴れてるんだけど、薄い硝子を扱うように、距離感を測るように、僕に触れる冬夜にそんなことは許してしまう。
グリグリとその前立腺?を触る指は何本なんだろう。最初になかった圧迫感が僕を襲う。
「そろそろ、良いかな」
思い出したように彼は服を脱いでいく。多分初めて見た冬夜の裸は、すごく綺麗だった。
細身だと思ってた全身に程よくついた筋肉。僕を翻弄するスラリとした長い腕に薄らと浮かぶ血管。
今からこの身体に抱かれるんだって思うと、火照る。
「ん…。良いよ、キて?」
「痛かったら爪たてていいから。」
ずっと秘められていたそこに、熱が宛てがわれた。ゆっくり、ゆっくり狭い肉壁を押し広げるようにして入ってくる異物。
そして走る痛み。
必死に力を抜こうとしても、抜けないどころか逆に入る一方で。息を吐こうにも何故か上手くいかない。
「ふっ____くぅ…ぃ、たぁ…。」
「ぅ…キッツ。ゆっくり息吐いて。…そう、いい子。」
”いい子”
彼の少し掠れた淫靡な声で紡がれるその言葉に、さっきまで込めていた力が嘘のように抜ける。
「ウリエラ、最後まで入ったぞ。」
「はっ、くぅ、、ホン…トに?ぁっ、とーや、冬夜!」
指とは違う圧倒的な存在感が苦しい。酸欠の魚のように、必死に息を吸いながら、それでも彼の名前を呼び続ける。
「どうした?痛い…よな」
「そうなんだけど、そうじゃなくて。なんか、幸せだなって…思ったら…。ふぇ……。」
僕は痛みなんかじゃ泣かない。そんなに弱くない。
これは、幸せだから流した涙。今まで悲しくて泣いたことはたくさんあった。でも、こんな温かい涙はなかっただろう。
僕の初めてが貴方でよかった。
心だけじゃなくて、身体が繋がる喜びを知ることが出来てよかった。
僕がこの世界で初めて経験することは、貴方はもう何度となくやった事があるのかもしれない。
そのことに妬かないわけじゃない。
でも、こんなにも愛おしいのは冬夜だけ。
貴方が今、指先で拭ってくれる涙の1粒1粒に、そんな思いを乗せて。
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