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驚き
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「ぅ…ん………とー、や?」
陽光の眩しさに目を覚ました。
昨晩何回求めあったか分からないくらい繋がった彼の姿を探す。黒くてサラサラとした髪が、僕よりも下に見つかった。
「いっ!……つぅー…」
布団を捲ろうとした瞬間、動きが止まる。腰が痛い。
そして
「んー…ウリエラ……?」
どこからか少年の声が聞こえた。どこからか、というかそれはいるはずのない所なわけだけど。
痛みも忘れて飛び起きた僕は、恐る恐る布団を掴んだ。
そろりと捲るとそこには子供が2人。双子のようにそっくりで、でも髪の色と質感が少し違う。
「え?なんで?…ゆ、夢だよね、これ。…いった!」
否定しようとして抓った頬は無情にも痛みを告げる。
「なに、朝から…って、え!?」
冬夜も漸く気がついたようで、自分の手を眺めている。そしてひとしきり確認したあと、傍らの、まだ夢の中にいる人物に視線を向けた。
「ひ…な……?」
「やっぱり春陽なんだ。ねぇ冬夜、これどういうこと?」
「俺にも分かんねぇよ。…ちょっと灰吏呼んできて?あいつならなんか分かるかも。」
僕は布団からでて、兄さんを探しに行く。いつもこんな早くに部屋から出ないから、兄さんがどこにいるかなんて検討もつかない。
まずは、部屋を覗いてみた。が、いない。どこに…?
そしてリビングに行ってみると、いた。
「あ、おはようございます、ウリエラ。今朝は早いですね。」
「兄さん!それどころじゃなくて!!説明するのがめんどくさいからついてきて!!」
状況を掴めていない兄さんの手を引っ張って急ぐ。その時にはもう、腰の痛みなんて感じないほど、興奮していた。
▽
「ウリエラ、いつ子供なんて産んだんです?」
ドアを開けてからの第一声がそれだった。
「産んでないよ!」
「じゃあこんなに冬夜と春陽にそっくりな子供、どこで見つけて来たんですか」
「いや、俺だよ、俺。冬夜だって。なぁ、ひな」
「灰吏さん、信じられないかもしれないけど、僕達身体が別れたみたいなんです。」
「……はぁぁああ!?!?」
兄さんがそんなに驚いてるとこ、初めて見た。今も処理しきれないようで、それはまるで石像のように硬直していた。
「く……く、くく薬利先生を呼びましょう!…ってまだ帰ってねぇのかよ、あのオカマ!」
慌てふためく兄さんが、僕がよく知っている彼とは異なった様子を見せる。
漸く繋がった電話から漏れているエル先生の声は、すごく涙っぽかった。
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