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証
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「そんな気分じゃねぇけど、いいぜ、吸ってやるよ」
そう言って抱き寄せられた腕はいつもと変わらない筈なのに、怖い。冬夜の腕に抱かれてるのは僕なのに、彼の瞳に映ってるのは僕じゃない。
「やだ!やだってば!離してよ、この酔っ払い!」
逃れようと藻掻くけどガッチリと回された腕は外れなくて、もうダメなんだって思い知らされる。
それでもこんな状態の冬夜に吸われるのは嫌で、手足をばたつかせる。
それがいけなかった。
バシッ
激しい音を立てて僕の手が当たったのは、冬夜の綺麗な顔。横を向いて固まる彼。
その表情を見て、僕はゾッとした。
唇は薄い弧を描いて、でも瞳は鋭く光っていたから。
「はっ。そう言う純情っぽいフリいらないから。」
彼はおもむろに手を離し、僕の襟元を掴む。ブチっと音がして、ボタンが引きちぎられたんだって気づく。
僕の首元を見た瞬間、冬夜の表情が歪む。シャツを掴んでいた手を離し、忌々しげに僕の胸元で輝くそれを撫でる。
「なんでお前がこれをつけてんだよ…」
その声は今まで聞いたどれよりも硬くて、冷たくて___震えていた。
「それ外せよ」
「嫌だ」
外すわけにはいかなかった。
これが僕の最後の希望だったから。
冬夜の証だから。
「お前に拒否権はねぇんだよ。さっさと外せ」
でも、それもあっさりと外された。
性急に宛てがわれた牙が、冬夜のお父さん、秋人さんに組み敷かれたあの夜を思い出させた。
「ぃっ______ぁ」
ブツっと無理矢理にこじ開けられた穴に、くい込む無機質な刃。
前に冬夜が、吸血をただの食事と言っていたのがよく分かるような気がした。
相手を人間だと思っていないような冷酷さ。人間が豚とか牛とか、調理されて出された時に、何の感情も抱かないように、冬夜も人間の血に対してなんとも思ってない。それが伝わってきた。
じゅる…
「ん…はぁ、血だけは褒めてやるよ。ただ、甘さが足りねぇ。弄ってればそのうち溶けんだろ」
ぐっと握られて、擦られる僕の中心。感じるのは癪で、嫌なのにどんどん熱を持っていって。
「っあ!あん、、やだ!とぉや、やめてぇ」
「嫌なのに感じてるの?淫乱だな」
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