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寝言
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「っく…はぁ、、うっ、、、、ん」
夜、寝室。
僕らが与えられた寝室は一部屋。仕方が無いとは思うし、配慮してくれた結果かもしれない。
僕達が例えば個別の部屋だったら、最悪密室殺人とか起こりうる理由があるし。
安心。すごく安心なんだけど…
「冬夜、大丈夫?」
さっきからずっとうなされているのは冬夜。御門の家にいた頃はこんなことはなかったのに。
「…っだい……じょうぶ………だから…ん……絶対こっち来んじゃねぇ」
苦しそうな理由はあらかた予想がついてる。
血を吸いたいんだ
多分血液に対する禁断症状は、ずっとあったはず。でもウリエラを探さなきゃっていう強い意識の裏に、それは積み重なっていった。
ウリエラと会ったから?
それが原因としか思えない。そのせいで爆発した。匂いなのか視覚的なものなのかはわからないけれど。
ギシ
スプリングのよくきいたベッドから立ち上がる。そして冬夜が蹲るようにしているそのベッドへ。
「ひ……な?」
「僕の血、吸っていいよ」
「はぁ?ふざけんじゃ…ねぇー」
「辛いんでしょ、吸いなよ、ほら」
差し出した手は振り払われる。目は獣のそれなのに、まだギリギリの理性でそれを押さえつけようともがいてる。
「そんなんじゃ明日以降ウリエラと会ったときに襲いかかるだろ。ここは天界で、魔族を殺すエキスパートが近くて見張ってるんだ。そんなんじゃウリエラを連れ戻す前に殺される。しかも彼の記憶は戻らないまま。いいの、それで?」
「チッ、文句…言うんじゃねぇぞ」
ブツッ
「っん……いっったぁ」
腕に開けられた小さな穴。そこから流れ出る紅い血は、かつて僕と冬夜が共有してたもの。
「ごめん、まじ……余裕ない」
冬夜の唾液と僕の血が混じる。
再び一つになったような感覚。じゅるりとすすられる度に襲う痛みが、僕の頭を逆に溶かす。
「ん……ひなたー?」
聞こえた灰吏さんの声に、おそるおそる振り返る。
そこには枕にしっかりと顔を埋めた灰吏さんの姿。窒息しそうな体制だけど、まだぐっすりと寝ている。
なんだ、寝言か
だけどはたと我に返る。この状況はまずいんじゃないか、と。
まだ僕は灰吏さんの告白に返事はしてないけど、僕は灰吏さんのことが好きなわけで、実質両想いというか。そんな中でこんな破廉恥(?)な事を、それも灰吏さんの横でやってるなんてバレたら…浮気?これで灰吏さんに幻滅されたらどうしよう。やっぱり取り消しとか?もしかしたらウリエラみたいにこっちに残ったり…いや、それはないか。父さんのところに行ったりとかかな…。
「もう十分だろ、冬夜!」
バシッと思わず頭をひっぱたいてしまった。
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