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ひとつ、報われる
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入ったのは近くのファストフード店だった。
中は夜中だというのに騒がしく、妙に静かなおれ達だけが、別世界にいるみたいだった。
「今回はお金はいいよ、サービス。」
ハートでもつきそうなあざとい言い方をして、何かをかいにいった。
その間に、そこそこキレイな席を見つけ、先に座った。トド松が持ってきたのは、紅茶とイチゴシェイクだった。
おそ松兄さん、これ昔よく飲んでたでしょ?と、クスッと笑いながらイチゴシェイクを手渡してきた。おれはそれにへらりと笑って返しておいた。
一時期、イチゴシェイクを毎日のように飲んでいた。別にイチゴシェイクは好きじゃ無いけれど。
「何でイチゴシェイクばっか飲んでたの?」
まるでおれの心を読んだような質問で、少し固まってしまった。
…なんとなく、ピンク色のものがおれの体の中に入っていく感覚が好きだった。今も、多分そう。
「好きな人を思い出すんだよね。」
「その子、イチゴシェイク、相当好きだったんだね。」
「…」
別に、トド松がイチゴシェイクを飲んでいるのを見たことがなかった訳では無いが、何も言わず、ピンク色を体の中に取り込んだ。
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