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かわらない 一おそ
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おそ松兄さんだけ、昔からかわってない。
ずっと、イタズラ好きで、いざというときは兄になる、クズな奴。
それがおそ松兄さんだ。
そんなおそ松兄さんにも、かわろうとしてた時期があった。
それは僕しか知らないけど。
******
「ねえ、いちまつ。おれ、ちょっとかわってみようかな。」
急なおそ松兄さんの発言に少しとまどった。
今思えば、そこまで急ではなかったかもしれない。
だって、皆がかわった後だったから。
「なんで、急に。」
「おれだけかわってないなーって思って。」
その時の僕は、皆が変わりすぎて少し距離をとっていたから、おそ松兄さんもかわるとなると、少し怖く感じた。
僕は皆がかわることへの戸惑いで、少し暗めになっていた。だから、おそ松兄さんに、
「おそ松兄さんはかわらなくていいよ。かわらないで。」
なんて言った。おそ松兄さんはそっかとしか言わなかった。
******
それからおそ松兄さんはかわろうとしなくなった。
本当に、そのまま大人になった。
そして、他の兄弟にお前はかわらなくていいよ。なんて、あの日の僕と似たようなことを言うようになった。
きっとこわいのだろう。あの日の僕と一緒で。
初めは申し訳ないと思ってたけど、僕に縛られてる。そう思うと、なんて、可哀想でいとおしいんだろうと思った。
きっとおそ松兄さんは僕よりも怖がりなのだろう。
兄弟に嫌われることが怖く、僕が言ったことに縛られ続けるのだろう。
そんなおそ松兄さんが、とても可愛くて、
僕もおそ松兄さんに縛られ続けるのだろうと思った。
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