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僕を殺す君が好き 一おそ ※死ネタあり
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おそ松兄さんが好きだ。
そう自覚したのは遅くはなかった。
何故自覚してしまったのだろうか。
兄弟でホモ、不毛な恋等諦めるにこしたことはない。
だから僕はおそ松兄さんの好きな、弟の松野一松を守り続けることにした。
それは簡単だった。
おそ松兄さんを好きな自分を殺せば良いのだ。
自分だと自分に勝てない気がしたから、おそ松兄さんに殺される想像をした。
その時だけ、兄さんを好きな自分が消えるのだ。
まあそれも、気休めに過ぎないのだが。
ある日、きずいてしまった。
自分がMだということに。
おそ松兄さんに暴言を吐かれると嬉しいし、踏みつけられたりしたらサイコー。
…ってかんじで、その想像が喜びになるのにそう時間はかからなかった。
想像は進化した。
おそ松兄さんのことを狙っているモブに殺される想像をした。
これは想像をしてしまうと、涙が出そうになる。
僕は顔に出ないタイプだそうから、不機嫌に見えるだけなんだけどね。
僕は、ある日おそ松兄さんが喧嘩してるのを見た。
大人になってから落ち着いたと思ってたから、一瞬誰かわからなかった。
相手は二人。相手の攻撃を受け流すこともなく、それ以上の力でねじ伏せていく、自分を大切にしない喧嘩スタイル。
相手が二人だったから、そんなに怪我はなさそうだった。
相手はきっと骨も折れている。
死んじゃうよ、止めよう?そう、問いかけるまえにおそ松兄さんは立ち去った。
流石にヤバいと思って、救急車を呼んだ。事情聴衆されたけど、猫のとこに遊びにいこうとしたら倒れてたと言っておいた。あいつらが起きたらヤバいなと思ったけど、どうやら一度も起きることなく死んでしまったらしい。
可哀想だ。ただ、それだけおもった。
所詮は他人。おそ松兄さんをこわくなることもなかった。
きっと、一番初めの想像に似ていたからだろう。
僕の居たところが、他人になっただけ。
おそ松兄さんに殺され、おそ松兄さんを思って死ぬ。さぞ幸せだったろう。
ちょっと振り返ってみた。僕がおそ松兄さんを好きになったのは中学生の時だ。
喧嘩もよくしてて、皆で血まみれになりながらはしゃいだ。
それを一番楽しんでいたのはおそ松兄さんだった。
その、何も映さない目と、ひきつった笑み、楽しそうな、何時もの笑い声。それが、好きだった。
ニートになって、皆で喧嘩なんてやってないから忘れていた。
おそ松兄さんを好きという事実だけを残して、どこがどう好きで、どうしてほしいなんて忘れていた。
そうか、僕は始めからおそ松兄さんに殺されたかったんだ。
僕を殺す、おそ松兄さんが好きなんだ。
僕を殺すおそ松兄さんがすきなんてきずいてしまったから、おそ松兄さんを好きじゃなくなる想像が出来なくなった。
これはもう、死んで償う方法しかなくなった。
僕はおそ松兄さんを思って死ぬから、きっと痛くはない。
間接的におそ松兄さんに殺されるのだ。
出来れば喧嘩中の笑みを、僕にも向けてほしかったけど、まあ、それは来世に期待するとしよう。
おそ松兄さん、僕、今から兄さんに殺されるんだよ。
僕の想いは、これで叶った。
ああ、僕を、こんな僕を殺してくれる優しいおそ松兄さんが大好きだ。
(自分が嫌いだから、おそ松兄さんに殺されたかったんだ)
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