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依存では足りなかった チョロおそ ※死ねた
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おそ松兄さんが死んだ。
その報告に息を飲んだ。
その現実を受け入れたくなかった。
ギャグ漫画の世界といっても限度があることなんて知っていた。
呆気ない死にかただった。
あの長男が死ぬわけないと思っていた分、受け入れられなかった。
おそ松兄さんが死んだ。
その報告を受けてから、僕の頭は急速に回った。
兄弟誰も出掛けていなかったから、僕は両親に電話をした。
手も声も震えず何時もどうりに話せた。電話越しの両親は、直ぐに現実を受け入れたようで、心配させないようにと嗚咽を我慢しながら今から帰るとだけ言った。
誰も泣いてはいなかったが、僕以外の人は冷静さを欠いていた。
声をかけるなんてことは、普段の僕はしないけど、おそ松の相棒としていまこの間だけでも兄をすることにした。
本来ならカラ松がここを動かすのだろうが、意外なことに一番動揺していたため僕が代わりを勤めた。
両親がかえってきてからは悲惨だった。十四松が泣き出し、それにつられ皆が泣くという形になった。
僕はそれをただみつめていた。
僕はおそ松の相棒だった。
きっとこれは勘違い何かではない。
確かに僕は相棒だった。
六人で一人なんて言い出したのは紛れもないおそ松であった。
僕を相棒だと選んだのも紛れもないおそ松だ。
六人で一人とはいっても、感じかたには個人差がある。
僕の中ではおそ松という男が大半を占めていたから、三人分くらいの悲しみが襲う。
でも、五人分一気に無くしたおそ松を思うと、全く悲しみに浸れなかった。
現実を受け入れたくなかったが、一番始めに受け入れ、冷静だった僕が葬儀や弟のサポートをすることになった。嫌でも受け入れさせられた。
いくら冷静だったとは言え、泣かなかった訳ではない。
おそ松がいなくなったことに誰よりも深い傷を抱えているという自信があった。
でも、おそ松兄さんという立場に立ってみたかった。おそ松兄さんが見てる世界を知りたかった。
相棒と言っても、おそ松という人間の考えることしかわからなかった。
勿論長男と三男という離れた立場なんだから、わかるのも無理な話だが。
でもいまはできる。
誰よりも早く立ち直り、現実を受け入れ、おそ松兄さんをおもう。
おそ松を一番わかっているのは僕だ。間違いない。
でも僕はおそ松という人間の全てを知りたいのだ。
この中で一番おそ松にすがっているのも間違いなく僕だった。
生にしがみつくことが、僕にとってはおそ松にしがみつくことだった。
それだけだ。
僕の次にトド松が冷静だった。
末っ子の事だから、何時までもわめいていると想定していたが、そうではなかった。
一通りなき終えたあと、おそ松の物を整理しにいった。
僕の相棒は、きっと思い出すのも辛いだろうからって言った。
僕は、カラ松の相棒は大変だねとそれだけいった。
何時までも目をそらしているのはよくないけど、自分の力で向かい合って欲しかったから、何も言わなかった。
おそ松の物を捨てるのは楽だった。
皆は反対してきたけれど、これがあると前に進めないと感じたから、無理やり捨てた。
親は、おそ松のことはチョロ松に任せるわと言って、何も言わなかった。
捨てるおそ松のパーカーの匂いを、肺一杯に吸い込んでから袋に詰めた。
次に冷静だったのは一松だった。
相棒が悲しんでいるのをみて、しっかりしなくてはと思ったそうだ。
トド松とにた考えだったそうで、前より二人の仲が良くなった。
そこで僕はきずいた。
僕は相棒を失った。
僕は誰に頼ればいいんだろう。
でも、おそ松もそんな悩みを抱えていたのだろうと結論ずけ、おそ松に甘えてしまった。
一松は何時もどうりだった。
十四松にたわいもない話をして猫に会いに行く。
一回十四松になんでこの状況で猫に会いに行けるのと問い詰められていたが、あいつらにおそ松兄さんの死は関係ないだろと言っていた。
正論だと思ったのと同時に、十四松にとっては辛辣過ぎる言葉だと思った。
十四松はそれをも受け入れて、何時ものテンションではないが、わめくことを止めた。
カラ松の頭はいつまでたっても空っぽだった。
おそ松兄さんの死を受け入れられなかった。
相棒にもあんなに心配されているというのに、自分が一番辛いという素振りをするこいつが憎かった。
兄弟で一番大切な奴は残ってるのに、一番辛い?馬鹿げている。
僕は始めてカラ松を罵った。
カラ松は何も言わなかった。
空っぽの頭は何も理解しなかった。しようともしなかった。
悲劇のヒロイン気取りかよと罵倒した。
近くにいたトド松はカラ松を庇うことはしなかった。
僕が一番辛いときずいているのだろう。
目敏いトド松が、とても頼れる人だった。
赤に近い桃色が、僕の心を痛めさせた。
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