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不毛な関係と恋心1※
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◇◇◇
長谷川さんに似た人と会うようになって、あれから何度目だろう。彼からメールで呼ばれれば、ボクは迷いなく待ち合わせ場所まで行く。
もし長谷川さんが、
『前から好きだったんだ』
なんてありえないことを言ってくれるなら、そんな不毛な関係はすぐにやめる。あるわけないから続けているだけ。
◇
土曜日に呼び出され、いつもの公衆トイレに向かった。
他の人からの品定めするような視線は無視して一番奥の個室のドアを叩いた。中に居るのはもちろん彼だ。
手と口で一回抜き、コンドームを外す。
20分にも満たないくらいの行為が終わり、帰るためにボクは立ち上がろうとした。彼に頭を引き寄せられ、まだ硬くなったままのペニスに顔を押し付けられる。
舐めていいってこと……?
恐る恐る舌を伸ばす。舌先に滑らかな肌が触れ、残った精液で苦みを感じた。再度押し付けられ、直接舐めていいのだと解釈する。
コンドームを付けている時よりもペニスの凹凸が舌に伝わってきた。
感じさせなきゃ飽きられるかもしれない。そう思いながら、実際は一心不乱にむさぼることしか出来ない。
ジュプジュプと音が鳴るほど舐めしゃぶると、口の中でペニスが膨らんでいく。ボクは彼から吐き出された精液を迷わず飲み干した。
また明後日、長谷川さんに顔を合わせるのが気まずくなるな……。
彼と会ったあとの月曜日は、罪悪感にさいなまれて普通に挨拶出来ない。
平静を装えている自信はないけど、長谷川さんに変な風に思われたら嫌だから何とか取り繕っていた。
――目の前の彼が息を整えながらぽつりと言う。
「知らない男の精子飲むなんて、抵抗ないの? 病気とか」
あれから何度も会ってはいたものの、彼の声を聞いたのは初めてだ。
……声も長谷川さんに似てる。
骨格が似ていると声も似るというから当然のことか。
話さないという約束だけど、疑問を投げ掛けてきたということは答えていいのだろう。
「抵抗は……ありますよ」
緊張して声が震える。いつもと違ってか細い声しか出ない。
「躊躇無く飲んでたから慣れてるのかと思って」
「全く経験がないわけじゃないですけど、そこまで慣れてるわけでもないです」
ボクが発展場に出入りするようになったのは、長谷川さんを好きになってからだ。
「……そう」
それ以上彼の言葉は続かなかった。無言になる。調子にのって嫌われるのは避けたい。
元の約束通り、それ以上は一言も発しずその場をあとにした。
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