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不毛な関係と恋心12※
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◇◇◇
視覚も聴覚も奪われた状態で居るのは流石に怖いので、俺は音楽を聞かずに横になっていた。声を聞いて萎えたら萎えたで仕方ない。
案外ケツの穴は具合が良いし、喘ぎ声を聞いても萎えはしなかった。
「かーくんッ、かーくん……!」
恋人を呼ぶ時みたいに甘い声で名前を叫ばれる。つい気分が高まって自分から腰を動かし、我に返った。
相手は男だろ。
そこまで夢中になるのは、引き返せない所まで足を踏み入れるような気がして躊躇った。
少しくらい嫌悪感というものを持ってもいいんじゃないだろうか。好き好んで男のケツに突っ込んでいるわけではなく、仕方なく男で性欲を処理している実感が欲しかった。
アイマスクを取る。
いくら常に自信なさげで、必要ないほど気を使うようなやつだって、姿を見さえすれば嫌な所の一つや二つ……。
確かに、筋骨隆々で男らしい部類のやつが俺の上に跨がっている。
言葉にするのも躊躇う部分を「見て」と言われ、別に見たくもないのだけど、反射的に視線を下げた。
俺の昂りの刺さっている周囲は無毛で、際の部分は薄いピンク。女ですら滅多にそこまで綺麗な色をしていないのに、とても同じ男だとは思えない。
全体は日焼けしているのにやたらと白い尻には、筋肉だけでなく適度に脂肪がのっていて揉みごたえがありそうだ。
そもそも脚にもほとんど毛が生えてなくて、もしかしたら前も……。
そこまで思考を巡らせ、アイマスクを取った理由はそんなことを確認するためでは無いことを思い出す。
嫌悪感だ。嫌悪感を持てるような部分を探すんだ。
そんな所、あるのか……?
聞けば聞くほど声は可愛くて、見れば見るほど肌は綺麗で。フワフワ動く髪の毛は柔らかそうだ。
脚にすがり付きながら「めちゃくちゃにして」なんてねだられ、どうしても嫌悪感が持てない自分に戸惑う。
目の前のやつは男だぞ。俺も、もちろん男で。
なのに、何で萎えないんだろう。
セックスしに来たんだから、萎えたら萎えたで困るけど、複雑な気分を拭いきれない。
俺はアイマスクを再び着け、男が相手だという現実から逃避する。
本能に従い腰を突き上げた。
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