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変わりゆく4※
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鷲尾は面倒くさそうに指を引き抜き、ボクのアナルに唾を吐きかけた。次にされることを想像して自然と体に力が入る。
次の瞬間、指とは比べものにならない太いもので体内を突かれた。
「……ッあっっ!」
「うっわ、弄ってないのにユルユルなんですけど。今まで何本チンポ咥えこんでんだよ、淫乱」
薬のせいか、先日かーくんとセックスしたからか、ボクが思っていた以上に体からは力が抜けているらしい。バカにするように笑われ、涙が滲んだ。
そうだ、あの薬には筋肉を弛緩させる作用があるんだったよな……と霞がかかったような頭で思い出す。
薬のせいだとしても、吐き捨てられた“淫乱”という言葉が頭を回る。しっかりしない頭だからこそ、同じことばかりがぐるぐると頭を巡る。
犯されるという結果が変わらないなら、いっそのこと意識を手放したほうが楽かもしれない。だけど中をズリズリと擦られ、体が震えた。
鷲尾は、無理やり挿れられているにもかかわらず快感で体を震わせたボクを、冷たい目で一瞥した。
「センセー、鷲尾って名前で誰か思いださねぇの?」
ドスのきいた声。
鷲尾……、鷲尾……。
ふと頭に浮かんだ顔があった。高校の時、水泳部の外部指導者だった人。それで……ボクの初めての人だ。
いや、でも、目の前の鷲尾と繋がりなんて――。無いと思いたいけれど、無いとするなら、ここで名前は出てこない……、か。
「センセーはさ、想像できる? 思春期のオトコノコが実は親父はホモでしたーって知って、変な薬まで見つけちゃった時の気持ち。んで、センコーが親父が指導してたガッコーの水泳部だったって聞いてカマかけただけなのに、わかりやすく動揺されちゃった時の気持ち」
やっぱり、鷲尾さんの息子か。怒りをぶつけるような腰使いに、ただただセックスしたかっただけじゃないと感じた。
なのに、どうしてボクは――
「あっ、ハァッ……、んん――!」
感じてしまうんだろう。
「普段威張りくさってるくせに、本当にケツで感じちゃうの〜? ホモって聞いた時は嘘だろって思ったのにマジウケるぅ」
「都合はいいけど、キモいよな」
後ろから鷲尾のものではない嘲笑が降ってくる。こんな時でも感じるなんて。かーくんのものじゃなくても感じるなんて……。喉の奥がギュッて苦しくて息ができなくなりそうだ。
「ははっ、キモい、か。キモいよな、ホント。自分でもキモいって思ってるよ。……ホモってさ……、遺伝、すんのかな」
蔑むように笑いながらも、暗い目をした鷲尾が絶望感を滲ませながら呟いた。あとの二人が動揺を見せる。
鷲尾もそんな事を言うつもりなかったんだろう。ビクッとして目を泳がせた。先ほど言っていた通りに“穴を借りるだけ”のていで二人を誘ったのかもしれない。
ほんの少し残った教育者としての自分を手繰り寄せ、必死で首を振った。
遺伝なんてするわけないし、同性愛者だからといって、そんなに自暴自棄になる必要も無いのだと。
自分が何者かわからず宙ぶらりんだった高校生の頃を思い出しながら、何とか伝わって欲しいと、首を振った。
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