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日向side
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「……はぁっはぁっ。翔陽っ何があったの?」
「部活のチームメイトと先輩に一回見てもらってこいって言われて……それで何も無いだろうけど行かなきゃ怒られるから検診に来たら、親を呼んでくださいって言われて……」
母さんが混乱してるのはわかる。
説明しろって言われる理由もわかる。
でもまだ俺も混乱してるんだって……
「日向さん。親御さんはこられましたか?」
「あっはい。」
「ではこちらの部屋でお話がありますので……」
何の話だろ……
ってどうせ病気がぁとかいう話なんだろうこの状況からすると……
いっつもなら怖いものがあれば怖いって言って終わりなのにバレーができなくなる怖さは比べ物にならないぐらい怖い……
「日向翔陽さんの病名は────です。今のところちゃんとした治療法が解明されていないためこちらが処方する薬が直接的に病気の回復に繋がらないことをご了承ください。」
何故か少しも涙が出なかった。
横で声を上げて泣く母さんの姿を見ても一粒の涙さえ流れなかった。
むしろ落ち着いていた。
「先生。俺は後どれくらい生きられますか?」
自分の命が長くないことも何故か分かった。
だから聞いたんだ。
「……長くて1年半。短ければ半年も持つかどうか……。」
母さんはさっきよりもっと声を荒らげて泣きじゃくった。
俺は相変わらず泣く事は無かった。
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