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翌日、下校しながらドーナツ屋を見ると結構混んでいた。並ぶのやめようかとも思ったのだけど、行列を待ってる時間にドーナツの試食をさせてくれるので、珍しく並ぶ。まぁ父さんも居ないし、今日はゆっくり出来る。
店員さんが「お持ち帰りになさいますか?それともこちらで召し上がりますか?」と聞いてくれる。食べていきたいけど待ちますかと聞くと、いえいえ、すぐにご案内出来ますというので待っていたら僕の順番になる頃にはあっという間に席が確保された。
ドーナツを食べていると、頭上が暗くなり「お久しぶりですね、シオン。体調はもういいのですか」
と声が降ってきた。
この声は、カリフさん。
顔を上げるとトレーを持ったカリフさんは柔和な笑顔を浮かべ、「もしよろしければ、相席しても良いですか?」と、相変わらずの完璧な日本語でこちらの様子を伺ってくる。
俺はカバンをどけて、椅子を少し綺麗にすると、促されたカリフさんはありがとうございますと嬉しそうに座った。
カリフさんはブラックのコーヒーだけを注文したらしい。 「ドーナツは?」
「事情があり、ここ連日食べておりまして。流石に今日は見たくもないのです。」 綺麗な顔を歪ませながら、コーヒーを飲む。
えっ、なんでドーナツの店に来たんだろう。
少し気になったけれど、カリフさんの話題でそんな事は頭の中から飛んでしまった。
「これからハミドの見舞いに行ってきます。」
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