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91 R(微エロ)
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side ハミド
カリフは叫んだ後、膝をついて声を絞ぼり出すよう言った。
『殺してください、いっそ私を殺して‥』
『何故、殺して欲しい?』
シェザードの中には入れず、そのまま俺の中心に身体を押し付け前後を滑らせるよう揺らしながら、俺は聞いた。
シェザードは、『えぅっ、ええぇっ‥うっ‥』
と、揺らされヌルヌルとした感触に、小刻みに震えながら、申し訳無さと、期待とでこの背徳感に酔っているようだ。
根元は紫になり、また千切れんばかりに大きくしていた。
『私は、シェザードに部下に対する信頼以上の気持ちを持ちました。しかし、それは許されない。ハミド殿下に精神誠意お仕えすることが、私の幼い頃からの誇りであり、幸せでした。その気持ちが別の想いで、揺らぐ事など、あってはならないのです。』
『揺らいだのか?』
『はい、あなたへの気持ちとは異質のものでしたが、確かに私は揺らぎました。私にとって、シェザードはあなたと天秤に掛けてしまい、傾けてしまうほどに重いものになってしまいました。』
シェザードは信じられない、そんな顔でカリフを見ている。
俺はシェザードをどかせると、ズボンを履きながら、やっと安堵した。
『カリフ、お前ギリギリセーフだな。危うく一線超えてしまい、洒落にならん事態になるところだった。』
大きく深呼吸をする。
何かのスイッチをやっと切れそうだ。
この甘いムードすら、胃がムカムカしていた。
『はあぁ?』カリフが変な声を上げる。
『側近はお前だけじゃない、シェザードを守り、俺も守れば良かろう。俺にもシオンという大切な存在がいるが、何とか生活も両立している。』
『わ、私を試したのですかっ?』
『お前は頑固過ぎて、骨が折れた。』
その、瞬間カリフががっと俺の頬を殴った。
殴られた方向に顔が歪む。
『私が、私がどんな気持ちで‥‥』
ガッ!
俺も足で、カリフを蹴った。鳩尾の辺りに命中したので、カリフは身体ごと、つんのめって後ろに吹っ飛んだ。
『俺がお前の立場ならば、シェザードの身体すら見せたくは無い。お前が正直にならぬからだっ!!この事、シェザードに尽くして誠意で応えろよっ!』 そう、俺だって腹を立てていたのだ。
横にあったタオルケットをシェザードに掛けてやる。
カリフは蹴られ、吹っ飛んだところからダッとシェザードに駆け寄りわんわん泣きながらシェザードを抱きしめた。
やれやれ、と小さく溜息をつくと玄関に行き、身なりを整えドアに手を掛けた。
ん?
鍵を掛けるのを忘れていたか?
ドアを開けると、そこには‥
シオンが泣きながら立っていた。
嘘、だ‥‥。
「シオン‥。」
シオン、いつからそこに居た?
どこまで、見ていた?
シオンは悲痛な顔でゆっくり手を後ろに回すと、
地球のネックレスを取り、呆然と立ち竦む俺の片手に握らせ、こう言った。
「お前との、綺麗な思い出だけ覚えて居たい。今まで、ありがとう、ハミド。」
そう言うと、くるりと背中を向けた。
「待っ‥「触んなっ!!俺は何も見ていたく無かった!さっきあった全て、お前の存在ごと忘れたい。」
そう言って、全身で俺を拒絶しながら、一瞬睨めつけるが、そこからは全く生気を感じない瞳をして、触れる事すら出来ずに立ち竦む。
シオンに触れたい両の腕は縫い付けられたようにそこから動かず、シオンの距離まであと少しなのに近づけられない。
そんな様子を眺めて、俺をまるで汚いものでも見るかのようにシオンは自分の家に入って行った。
神のような子供を、自分の過ちでみすみす手放してしまった。
途方もない罪悪感に、震える身体を両腕で支え、恥も外聞も無く声を上げて叫び、許しを乞いそうな自分を必死に押し留め、シオンから手渡された、地球のネックレスを握りしめていた。
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