アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
128
-
「で、まったりするべく電車に乗った‥って、ちょっと待てよ、たかだかまったりすんのに彼女と、わざわざそんな特急列車乗るか?」
真斗が言う。
「だよなぁ‥」
溜息をつく、俺。
哀れなものを見るような目で無言で俺を眺める、ドハ。
いつものメンツでいつものドーナツを食べる。
そして、真斗が小声で衝撃的な事実を言ってくる。
「なぁ、シオン。お前の彼女って紹介してもらった事ないよな‥」
「うっ‥」
「俺さ、ねーちゃんにハミド君とシオン君の事、差し支えなければ相談に乗ってやんなよとか言われててさ。ハミド君はめちゃくちゃシオンに、べた惚れに見えるらしいんだけど、シオンも満更でもないんでしょ?って。彼女いるって聞いたけど、彼女像とハミド君がダブルのよ。でもってこの二人なら私は、アリだと思ってて。こっちを推すとか、わ〜け分かんねーこと、言ってんだよなぁ。」
満更どころか、大好きだ‥
顔がめちゃくちゃ赤くなる。
真斗は親友だから、内緒なって、本当の事を話した。
おめでとうと言ってくれたけど、ね~ちゃん‥あいつの嗅覚だけはいつもすげえな、よく気がついたなって変な感心をしていた。
で、ものはついでとばかりに今度京都の1泊2日を考えていてと話すと
「なんでそんな枯れてんだよお前ら」と、真斗にまたクスクス笑われた。
「俺も普通がわかんなくなってんだよなぁ‥ 」
「いいんだよ、シオンはそれで。ハミドの癒やしになってる事は間違い無いし、あの人は少し休ませてやる位のほうがちょうどいいんだよ。」
と、ドハは腕を組み、目を、閉じながら何かを思い出しているようだった。
その言い方がとても優しくて、真斗と俺は、ドハを見ながら癒された。
真斗が思い出したように言う。
「そーだ、シオン。今度、またバイトやらね?字の添削。ねぇちゃんに、人数多いほうが良いって言われてさ。俺も行くし、良かったらドハも。」
ドハは目を丸くしている。
「俺にも、バイト‥?」
「あぁ、親御さんに相談するなら、それからでもいいぜ。即金、だから印鑑だけ欲しいんだ。
お昼は社食の券貰えるし、ダベりながら出来るし、終わってから、また遊びに行ける時間だ。俺、ドハと遊びに行ったことねーし、カラオケとか、ゲーセンとか、スポッチオとか、ドハは何が好きなんだろ。行かねっ?三人で。」
ドハは何処かに電話すると言って席を立つと、真斗が「し、自然に声を掛けられたかなっ‥」ってぎゅっと目を瞑りながら頭を掻いている。
ふーん‥‥
昔の俺なら気がつかなかったけど、そういう事か。
真斗、ドハが好きなんだ。
真斗はいいやつだし、顔も俺なんかよりは全然カッコイイ。なのにモテナイ。
それには理由があって、「あの子ってさ、顔はいいのに中身小学生なのよね〜」ってタイプだからだ。
少なくとも中学ん時は、女子はそう言ってお互いを牽制し合ってた。
一方ドハは輝く太陽って感じの元気っ子。最近、実は中身が、えらくクールと知ったけど、そこは真斗も知ってると思う。よく突っ込まれてるし。
二人が、うまく行けば嬉しいけど、この関係が無くなるのも怖くて、要請が無ければ、俺は静観を決め込むことにした。
ドハが戻ってくると、大丈夫だと言われたそうで、今度の休みは三人でバイトから遊ぶ約束をした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
128 / 685