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試着が終わってドーナツ屋に向かう途中、子供が校帽で遊んだまま、カゼに飛ばされ、木に引っかかっていた。
可哀想なので、取ってやろうとしたら、ドハが木に登り、「よっ!」っと取ってあげてた。
ありがとーお兄ちゃん!
子供達は礼を言い、ダダダっと駆けて去った。
「ドハは、クールなのに優しいよな。」
俺が思った事を口にすると、「シオンが最初に取ろうと思ったからだろ。俺は手伝っただけだって。」
「あれ?今の帽子を、取った時かな?頬に血がついてる」
「ん?あぁ、ケチャップじゃね。」と、拭った。
確かに怪我はしていないようだが、いつハンバーガーか何かを、食べたんだろうか?
「ドハ、俺になんか隠してることないか?」
「なんで、そう思うんだ?」
「なんか、今日凄くピリピリしてる。」
「機嫌悪いんだなー位に思わねえの?」
黙ってドハを見つめた。
ドハは大きな溜息をつくと、シオンを、ハミドの留守中に、お前を守りたいだけだと言った。
そういえば、俺は前にもドハに守られていた気がする。
ドハが、疲れないようなことをしたいから、教えてくれと言うと、じゃあお前んちに泊めてくれと言ってきた。
父さんに聞いたら、今日は泊まりがけのシステムメンテナンスがあるからドハ君には会えないけど…と、残念がりながら泊める了承はしてくれた。
俺はハミドに浮気の疑われたくなくてというと、ハミドは大丈夫だと言う。なんでも、ハミドに頼まれてドハはいてくれてるらしい。
「アレフの刺客ってさ、これからも俺を、狙い続けるのかな。」
「いや、ハミドが帰ってきたらそれは無くなるはず。シオンのためなら、あの人火の海を飛び込んで級でも喜んで飛び込むんじゃねぇかな。俺はそんなハミドが大好きだけどな。」
「ドバって前々からハミド贔屓だけどさ、なんでアイツをそんなに買ってるんだ?」
「俺さ、昔アレフのおもちゃ用で友達と遊んてたところを何人かと捕まって宮殿に連れて来られた事がある。本当に小さな頃なんだけど、もしあのままならどうなったのか、今でも恐怖してる。ハミドが偶然通りがかってロープを切って逃してくれた。
あとはハミドが怒られたらしいけど、同じ王族として謝る、って偉そうだけどカッコ良かったぜ、本当に。それから勉強して、身体を鍛えて、いつかハミドにあの時の恩返ししたいなって思ってる。ハミドは全然覚えてないけど、俺が勝手にそうしたいんだ。
シオンの事を相談するハミドも人間臭くて俺は好きだ。でも、恋愛とかじゃないぞ。俺にとっては恋愛よりもあの人を支えられることの方が大事なんだ。
真斗の気持ちには応えられないけど、あいつにも、いつか分かって貰いたいな‥」
おれは、ドハの気持ちと真斗の気持ち。
両方を知ってしまった。
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