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148 R (微エロ グロ表現注意)
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side ハミド
シオンのもとに向かった刺客も、アレフの証言通りの人数で、ユースケの店で被った被害を肩代わりすることで、日本への心配事は無くなり、安堵した。
帰りの、プライベートジェットの中で兄上は笑いながら言った。
『今回は僕にしては穏便に済ませたほうだよ?あの女の手足を切って歯を無くして。そうだな、あの女の腰まで伸びた髪はそのままで、好きなだけレースとリボンに包んであげようか。
そういう好事家に売る案もあったんだ。媚薬で酩酊してるから大丈夫だし。
でも、この国の人達は先王の義理で彼女にそこまでは出来ないって。
ハミドの好きな日本に似たようなのあるだろう?そうそう、ダルマ。今度土産に買ってきておくれ。』
俺は今後ダルマを、見れそうにない‥
ザイール兄上は、クスクス笑うと
『ふふっ。冗談だよ、ハミド。きっと彼女は世間知らずだったのだろうさ。そのうち媚薬要らずになって、子を設けたら何か変わるかも知れないよ。父上にはあの国だけでなく、彼女にも詫びて欲しいからね。そして、今回でもうアレフという兄がいた事はお前も忘れるんだ。
元々、あれは僕達と、血は繋がっていない。』
えっ!と驚愕に目を見開いた。
『僕も馬鹿だよね。調べたんだ、あいつのDNAを。父上もあのひとのでもない、多分あのひとの前の夫の忘れ形見だろう。あのひとは、自分の子だと偽る事で、贖罪の意味もあったのだろう。その事実を知って、僕はまたあのひとに狂いそうになったよ。もう、僕は故郷には帰れない。
あのひとへの、気持ちは母親へのそれと違うんだ。離れてさえいれば、僕は何も失わずに済むのだからね。』
兄上の魂は、もはや燃え尽きるまで、母上に焦がれているのだろう。
あれほど頑なに拒む理由が分かってしまった今、兄上を責められる事など、誰にも出来はしまい。
『ただ、アレフに権力がつきそうな事と、ハミドにシオンが出来た事でアレフはもう排除するしか無くなった。あのひとは泣く泣くだが、納得してくれたよ。もうアレフの改心は見込めないからね。父上にはアレフの血の事は言っていない。でも、僕だって調べる位だ。僕にもハミドにも似ていないんだから、調べててもおかしくはないよね。まぁでも、アレフは排除出来たとしても、王族を襲うようなテロ組織なんて世界中どこにでもいるんだから、そういうのは引き続き注意して、ハミドも気をつけるんだよ。シオンはスペシャルを送ってやるごとにお兄さんへって、拙い英語でお礼のメールを書いてくれるんだよ。国際便では、日本のチョコを送ってくれたこともある。あれが僕の癒やしでね。ハミド、お前シオンを泣かせたら僕はお前の方をお仕置きしそうだよ。』
兄上、理由をつけてお仕置きしたいだけじゃ‥そう思ったが口を噤んでいた。
シオン、そんな事をしていたのか‥‥微笑ましい。
早く日本に帰りたい。
兄上はアメリカにラーラ達と行くと言うので、日本で俺をおろし、挨拶もそこそこに、そのままジェットで帰ってしまった。
疲れた身体だったが、シオンに電話をすると、学校帰りに空の茶室の部屋に寄ってくれると言う。カリフには、勉強や仕事は明日から必ずやると誓い、茶室の部屋でシオンの帰りを待つことにした。
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