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side ハミド
『ということで、ジム専属のトレーナーと、ミスコンのアンバサダーを務めておられるアシュリー女史を講師につけました。アンバサダーには、食事の指導と姿勢を女性から見て魅力的な男性としての観点でご指導頂くようです。早速、学校帰りのシオンをドーナツ屋で捕まえ、コンタクトを取ったようですが、あなたの10年後の身体を作る間食が、これなの!?と、キレられたそうですよ。』
カリフは渋面を作りながら、今日の報告をする。
『アシュリー女史か。なかなか、きつい人のようだな。』
『えぇ、そりゃもう。そのまま自分のスタジオに引きずって行き、服もひん剥かれて、全身くまなく見たそうですよ。歯列矯正や大まかなことは必要ないわね、こんな身体に産んでくれたご両親に感謝なさいと、ドハも、通訳しながら面食らってたらしいです。』
聞き捨てならない事を、言われた気がする。
『全身、ひん剥かれてだと?』
『えぇ、シオンの魅力的なパーツをどう表現するか、そうした事も重要らしいので、あぁ、大丈夫です。女史はレズビアンであり、パートナーともラブラブなので、心配はいらないですよ。更に、日頃の食事指導、学校帰りのウォーキング指導、メンタルレッスンに、休日もスケジュールはみっちり提出されました。本来ならば一ヶ月というのは無理がありますからね。女史とはほぼ一ヶ月一緒に過ごし、ミスコンの仕事も一ヶ月は調整してシオンに合わせてくださるとの事でした。』
『シオンは、さぞショックだっただろうな‥‥』
『そうお思いなら、何故このような事を‥。』
溜息混じりにカリフが聞く。
『シオンは謙譲の美を持ってはいるが、些か卑屈な所があると思った。せっかく選んで貰ったのならベストを尽くして大会を、愉しめばいいものを嫌だ嫌だと‥。誰にでも来ないチャンスなら楽しんで欲しかったのだ。努力した分、登った山の景色が違うようにな。』
朝の会話で、ムッとしてつい進めてしまった感は否めないが、シオンは、もっと自分に自信を持っていいと思った。あのヴィロトリアの女王の過剰な自信を見てしまった後だからだろうか。
カリフもそれを思い出したのか、プッと笑い『客観性に欠けるのも、なかなか問題だとは思いますがね。まぁ、シオンも我が国で陛下や王妃様にお会いになる前に少し勉強が必要でしたし。』
『今日はさぞ疲れているだろうからな、ゆっくり休ませてやろう。』
するとカリフは更にとんでもないことを口にした。
『最後にアシュリー女史から、コンテストまで夜の営み本番行為は禁止だそうです。何でも身体のラインが崩れるのでと。』
なんだ、それは‥‥
『アシュリー女史も、仕事に手抜きは絶対出来ない性分なのでしょうね。もしそれが発覚した場合、違約金はたっぷり払ってもらうと念押しされました。』
報告は以上だというように、カリフは資料をまとめ、俺のデスクの前に置いた。長年の付き合いでこの顔は心の中でざまあみろと言わんばかりだった。
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