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ハミドが帰ってきて、一緒にラウンジでご飯を食べて、その日会った事を話すのも、いつもの事だ。
ご飯の前に、俺は風呂を済ませていた。
それはいつもみたいに、一緒に入りたくなくて…
明日はミスコンでお世話になったアシュリーさんのお弟子さんのエステサロンに行くからと言うと、エステサロンは経営が結構難しいみたいな話をしてくれる。客は一日に沢山取れないし、予約がうまく回らないとか…本当に詳しい。
「もし、何か売りつけられたり、経営で困ってるみたいなネガティブな話だったら、シオンより俺が話したほうがいいかも知れないから、そうした時は駆けつけよう。エステシャンは、来た人を癒やすのが仕事だ。」
ハミドは、いつも勉強してて凄いねって素直に感心すると、どんぐりのように大きく目をひらき、そのあと恥ずかしそうに笑った。
その顔を見ると、正直言って胸がキュンとなる。
「その、シオンにカリフが話して聞かせた事を聞いた。過去の女と関係した事を…。シオンという愛しい人が出来てから、浮気を考えた事もない。」
ハミドが真摯な目で、見つめる。
「俺には、ハミドの過去を責める資格なんて無いよ。」
と、力なく笑う。
「これからの俺は全て、シオンのものだから、慈悲をくれないか?」ハミドが縋り付く。
やめろって…緑のその瞳で縋るような、泣き出しそうな目で見られたら、うっかり許してしまいそうになるだろ。
俺は仕方ないという目で、手を伸ばして頭をポンポン触ると、ハミドが囁くように「良かった…」と、安堵していた。その姿を見て、また胸がズキッとする。
律子さんは、ハミドは食べていないからと、紅茶のシフォンケーキとコーヒーを出す。「シオンさん、明日の事なんだけど、学校に持ってったら邪魔よね?」俺にはハーブティーを置いて、さっきのケーキを受け渡す話の続きをする。
「シェザードさん、俺を送ってくれた人が会社で預かってくれるって。また明日、友達のところまで送ってくれるし、悪いなぁとは思ったんだけど、律子さんのケーキは絶品だから甘えちゃった。」
「うまいなぁ〜シオンさんはぁ。シェザードさんの分も作れってことね?」
「いやっ、そんな事は言ってないよっ!」
「いいから、いいから〜。シェザードさんに作る分は会社で食べて貰うだろうし切り分けておこうっと。」食器を片付けて行ってしまった。
困ったなぁ、今度何かお礼をしなくてはと考えていると、ハミドがこちらを伺っている。「シオンの周りに女性が集まり出して、心配になりそうだ。」紅茶のシフォンケーキを食べながら苦笑している。
「今のやり取り見て、妬くなんて心が狭いな〜ハミドは。」
シュンとするハミドが可愛く見え堪え切れなくてそういうと、「心が狭い自分を、そこそこ気に入っている。」
と、困ったように笑った。
ハミドが風呂から上がって、寝室に戻ると、俺はローショ
ンとゴムをベッドボードにセットして準備してた。
ハミドがそれを横目でチラと見て首を傾げる。
「今日は、直にされるのは嫌なのか?」
「まぁ…ね。」
「体調が優れないなら、無理には…」
そう言って、労るようキスをしようとするのを拒む。
「シオ…ン?」
「優れないのは、体調じゃないのかもな…。今日は俺がする事をハミドが見てて…。あと、キスは禁止。」
えっという形のままハミドがぽかーんとするの顔を見てると、心の闇が傷口から広がる感覚が襲ってきた。
俺はハミドの足の間に身体を入れ顔を寄せた。
まだ付き合ったばかりで、俺の前では、猫被っているんだろうか…ハミドの全部が知りたい。
そんな事をぼんやり考えながらも、どす黒い何かが自分の前で蠢いて、これからする行為をやめようとは思わなかった。
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