アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
188
-
ハミドと家で話す時はいつもこういう重い空気になる。
そう思うと、このタイミングを見計らうかのようにドアの方で、父さんが帰ってきた音がした。
「ハミドくーーん久しぶりだね〜」
急いで帰って来たらしく、荷物も持って、上着も着たままだ。
「父さんっ!もう…カバンと上着貸して。手洗いうがいもちゃんとしてよっ。この時期そろそろ風邪とか引くよ。」
「あー!士恩ありがと。でも、何か口うるさくなぁーい?だってさぁ、聞いてよ。父さんハミド君に会うのって凄く久しぶりなんだよ〜あっ、ハミド君も何か雰囲気変わって、またカッコ良くなったよねぇ。
彼女とか出来たとか?もしかして士恩はまた、出遅れてる感じなのかなぁ〜。士恩も最近カッコよくなったと思ったのに、他の子はもっと成長してたりするんだね〜」
空気を全く読まない感じで、ペラペラペラペラ喋り出す。
「シオンの父上っ!彼女ではないが、愛しいと思える存在が出来た。その、報告を、今日はしたいと思って…きた。」
ものすごい必死の形相で言うものだから、俺も父さんも固まってしまった。
「聞いて、貰えるか?」
父さんは、その気迫に負けて、コクコク頷く。
「その、俺の愛しい存在…恋人は、シオン…だ。」
父さんは、その気迫に負けて、コクコク頷く。
「その、許していただけるのだろうか…?」
父さんはその気迫に負けて、コクコク頷く。
「えっ!?父さん!?」
俺は驚いて声を出すと、父さんはびくぅううう!と、身体を、飛び跳ねさせた。
「わぁああ!士恩、今ちょっと大事な話でしょ〜?ビックリさせないでよっ」
「いや、だって父さん、ちゃんと聞いてた?」
俺は焦って、父さんを正気に戻したかった。
本当に聞いて頷いていたとは思えなかったから。
すると、父さんは安心させるように、俺達を見て言った。
「うーん、改めて言われると、声が出ないもんだなって思って。薄々は感じてた事だったんだから。ハミド君が遊びに来た時かな。
最初は士恩のお兄ちゃんみたいな存在になって欲しいなって、思っててさ。
そのうち士恩が家にあんまり帰って来なくなったけど、悪い遊びを覚えたとは思えないし、学校の先生も成績は上がったとか、明るくなったとか…それに、最近凄く輝くように笑うようになったんだよ、士恩は。
ハミド君のおかげだとしたら、ちゃんとお礼言わなきゃって、思ってた。」
父さんがハミドの頭を撫でると、ハミドは何かを堪えるように俯いていた。
「ハミド君、士恩を宜しくね。俺は息子が二人出来たと思う事にするよ。向こうのご両親は何て言ってるのか分からないけど、俺位は二人の避難場所になってあげたい。何があっても賛成するから、辛くなったらいつでも帰っておいでね…」
俺は涙が溢れてしまって父さんに抱きついた。
父さんは、もう、ハミド君だって我慢してるんだから、士恩も泣かないでよ〜心配になって手放せなくなる〜と、言葉とは裏腹に優しく背中を擦ってくれた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
188 / 685