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『えっ…ハミド殿下!?』
『キャッ!シオン…!?』
二人はシャワーを、浴びてバスタオル一枚を腰に掛け、髪を小さなタオルでゴシゴシ拭きながら出て来たところだった。
俺はそれを目線高めに見下ろしている。ハミドの肩に担がれてたからだ。
部屋に入った瞬間、二人にその姿を見られたのが恥ずかしくて…足をジタバタしていると、お尻をぐっと掴まれ「危ないぞ。ベッドまで大人しくしてろ」なんて、ピシリと叱られて「ひぃんっ、いや…」と力なく抵抗している。
『あちらの座席でお過ごしになるのでは無かったのですか?』
カリフさんとシェザードさんは急いで服を着ながら慌てている。
『俺達の事は気にするな。お前達が楽しげに勤しんでいるのを見たら、シオンがモジモジしながら辛そうなのでな、抜いてやろうと思った。』
『まさか、さっきの…?どこから見ていたのですっ』
カリフさんが焦りだす。
『シェザードが全裸になるところから、お前とソファで最後まで、だ。』
しれっと答えるハミドにカリフさんはガクッと肩を落とす。
『全部じゃないですかっ!』
何か話をしているけど、「か、カリフさぁん…助けて。」
と、泣きついてみる。
「シオン、ずっと見ていたのかい?」
嘘は許さない、とカリフさんの茶色の瞳が鷹のような鋭さで俺を射抜く。
「見てました…あの、ネクタイで引っ張られたり、俺様イラマチオ…凄く怖かったです。」
つい、感想を言ってしまう俺のバカっ!
「…。ハミド、優しく甘やかしてあげてください。シェザードと直ぐに出ますので…。」
いつも優しいカリフさんが超ドSに死刑宣告してくる。
カリフさんは何事も無かったかのように、ドライヤーで軽く髪を乾かすと、服をきちんと着込みコロンをつけていつもの清潔感溢れる好青年になってしまった。シェザードさんもきちんと仕事用の顔に戻り、俺達に一礼して去ろうとする。
「うわーん!カリフさん待って、お願いだから、助けてぇ…。」
「カリフに見て貰うか?」
「それは絶対嫌っ!」
俺は猛烈に抗議をした。
「我々にはお構いなく。シオンは恥ずかしいでしょうから、さっきハミド達が見ていたところでみましょうね、シェザード。」
「やだやだやだ!絶対やだからお願い、カリフさんっ!」
俺の必死の懇願も虚しく、二人は慌しく出て行ってしまった。
残された俺は悲しく一人この黒い獣と数時間過ごさねばいけないらしい。
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