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俺はヨシヤス。リフォーム会社に勤めている。
それは 建設業界の世話になった人の紹介だった。
俺の会社は主に横浜市内で どちらかといえば 横浜の北部が中心だ。それでも紹介されれば 市外でも仕事はする。
あまり馴染みのない 市内でも外れに近い南部の方。ちょっと行けば F 市 Y市に近い場所だった。
見積に来てくれと言われ その近くの業者を 頭に思い浮かべながら向かった。
私鉄の駅からは近く 立地も良い。近くに有名大学も有るし スーパー コンビニ もある。2DK のアパート。築は古いが木造でリフォームもされて 綺麗になっている。
大家だという女性は かなり若いが 両親の代からのアパート経営をしていて、しかもここの他に 市内の北部にもマンションを持っているとのこと。そこも昔はアパートだったが 今はマンションに立て替えたばかりだという。
今回は外観のリフォーム。そして バストイレを改装するとのこと。8世帯の2階建て1階2世帯が大家の住まいだという。
数年前から 入居者が入れ替わる度にリフォームをしてきたらしい。古いアパートだが 現代風に 中を変え 外観も変えれば 入居者も増えていくと考えているらしい。学生のシェアでの入居者が 今は多いらしい。
「昔はね 夫婦とか 親子連れとか 多かったんですよ。今は大学の方面関係の方が多いですかね。いっそ イマドキのマンションにしようかと思ったんですが 単身だと限定すると 学生さんの風紀が乱れたりするのも嫌だし。まあ 昔ながらのこんなアパートでも そこの大学は 歴史ある上品な学校だから 割と入居者の方に恵まれてまして。」
よくわからない話に適当に相槌をうち 見積をすべく 部屋を見て回る。
そのとき スマホが鳴った。
大家の女性に断って 離れたところで 電話にでた。
友達の萩ちゃんだった。
『おう ヨシヤスか?この間は来てくれてありがとうな』
「おうよ。とても 良かったぜ。美味かったしな。良かったな。」
『ところでよ つまんないもんだけど 気持ちの品物 送らせて貰った。それでよ ヨシヤスなら 知ってるかな って思って電話したんだけどよ。千春の住所 知ってるか?』
「千春?えーと今は横浜だぞ。たしか。あー それとよ 名前変わったかんな。苗字。山科じゃねーからな。前は山科千春。今は山手千春だぞ。で 昔は 俺達の近くの西区だろ?それから結婚して港北区。離婚して なんだかあって転勤で S市に引っ越して 今仕事の関係で横浜市内。T区になったんじゃなかったか?』
『だから その新しい住所を知りてーの。ヨシヤス知らねーの?』
「俺知らねーよ。モッチャンは.......知らねーかも?直接千春に電話してみりゃいいじゃん。それとも 俺が それとなく 千春に聞いてやろうか?」
『おうよ ヨシヤス頼むよ。聞いたら メールしてくれっか?』
「ん。分かった。千春に聞いてみるよ。じゃあな。おう。」
電話を切ると 側に居た 大家の女性が
「口を挟んですいません。
あの 今 お話ししていた 千春さんて 男性ですよね。あのあなたと同じ年頃の千春さん。山科千春さん。お父さんが 昔 交通事故で亡くなってませんか?」
「ええ そうっすけど。確かに。昔は 山科千春って名前で。今は遠い親戚の養子になったとかで 苗字が変わって山手千春になりました。」
「あーやっぱり。千春のことを話していたのね。千春元気ですか?」
何でも その女性は 千春が 父親と住んでいた頃 同じアパートに居て毎日遊んでいたらしい。
今はマンションになっているアパート。
その頃 女性一家は西区でアパートを経営して千春親子の隣に 住んでいて 一人、家で留守番をする千春を とても可愛がってくれていたらしい。
千春より年上の目の前の女性は特に親しくしていたとかで。
小学校も一緒に通ったという。
「あれ?じゃあ千春の住んでいた 近くのちよみちゃん?」
「じゃあ あなた 千春の家に時々遊びに来ていた アキラ君なんかの友達のヨシヤス君?」
そーかよ。あん時 千春は父親と住んでいて 昼間は一人だったが 隣に 女の子が居た。一学年上の女の子。千春のこと 千春 千春って 呼び捨てにしていたような。学校に行くときは 俺達を従えて 集団登校して。何年生の頃だったか 千春の家の親父が亡くなるまではよく 千春にくっついていた。その後千春は婆ちゃんの家に引っ越をした。あのアパートから 近いけど それからあの娘は見なくなった。
そーか。千春をああしろ こーしろ って 口うるさく 世話焼きしていた 女の子が居たわ。
俺ら 千春ん家に 遊びに行くと 必ず そのちよみちゃんが 居て 俺らが行くと 帰れって 言われるんだよ。
小学校の高学年の頃は 一緒に遊ばなかったけど うんと小せぇ 1、2年生の頃はコイツ いっつも千春の家に居て。2人でおままごとだか何かやっていたよ。
千春はおとなしいガキで この ちよみちゃんに 怒られながら 言うこときいていたよ。
俺らも 時々 おままごとで 子供をやらされて 早く寝なさい とか いっつも 赤ん坊の役で 寝かせられてばっかりでよ。
ああ そーいえば ちよみちゃんと千春は夫婦で おっかねーお母さんと 怒られてばっかりのお父さんで。
夫婦は 2人で寝るんだって 2人で 布団にくるまってだなぁ。
今考えると マセたガキだぜ。
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