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番外編 あのときの千春 3
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俺 怖かったのかな?
だから 診察券とかを取りに行くのは敢えて 真弓先生とは遭遇しない日時に 行った。
でも 何か これでイーのかよ って気分だった。何も悪いことは してないけど。
爽やかミントの真弓先生はわざわざ 自分が居る日と時間を遠回しに 教えてくれたけど。
だけど 何か俺 変だから 今度真弓先生に会ったらさ まともで 居られるかな。
何かとんでもない失敗したら 怖ぇーよ。何が?でも 会ったら恥ずかしいような。
俺 変なんだ。
俺 真弓先生みたいな エリートってさ 周りに居なかったからさ。何か俺みたいな奴と 接触して 品位みたいなモンが落ちたらさ 悪いような気がして。
よく昔言われただろう?
ヤンキーな友達のことをさ。
家にそういう友達を連れていくと 母ちゃんとか 真面目な兄ちゃん姉ちゃんなんかに 悪い奴と付き合うな。あんな不良と付き合うなってさ。
俺は あんな奴の方の部類だったけどさ。
もちろん今は カタギで。真面目一本でやってるよ。でも言葉は悪いし 頭は悪いし あんな真弓先生みたいなイケメンじゃないし。バツ2だし。
最近の流行りの 品格 ってーのが無ぇよ。俺はさ。
筋トレやってるから 多少タンパク質とか筋肉の名前とか アミノ酸とか ネットで調べているけどさ。
でも医者ってさ 大学の医学部出たんだろう?インターンみたいなのやるって いうじゃないか?医学のこと一通り勉強してきたんだろう?スゲーよな。
しかもあのクリニックの跡取り息子だろう?エリートの子はエリートってな。
コンビニ裏の駐車場の車の中に真弓先生の車があんのかな?
今まで 俺の周りの車なんて気にしたこと無かったなぁ。何年あの駐車場に停めていたかな?駐車場の他の契約者なんて気にならなかったからな。自分のスペースに停めて隣の車さえ 何の車だったか覚えてないし。
これから長距離やるから しばらく帰ってこれないかもしれないからな。ますますわからねぇや。
そんな時 タイミングって 恐ろしい。
コンビニの前で バッタリ 真弓先生と会っちゃったんだよ。何か スゲー嬉しくて。恥ずかしい。
高くなったお日様が やけに眩しいような 暖かいような。
でも 本当に 飲もうって話 本気にしてくれてて。
酒好きなんだな。
飲む相手 居ないのかよ。って
今夜から地方で しばらくこっちに帰って来れないって言ったら あんまりにもガッカリしてくれちゃったから。
つい つい 本当に 俺と 呑み友達に なってくれんのかよ って。
どんな話をしながら飲むんだろ? どんな話をしたら 良いんかな?
さわやかミントの真弓先生。俺 思わず 時間作りますっ!と 言っちまったよ。何か浅ましい 言い方だったかな。
言葉も焦っちゃって。
そしたらよ
真弓先生は なんか 顔を赤くしてたんだ。
多分 好きな日本酒飲むこと が 嬉しかったんだと思うよ。きっとね。
俺 メールしたんだ。
だって 今夜にでも飲もうって 感じだったみたいで。それなのに俺は いつ時間取れるか分かんなかったし。
医者ってさ 忙しいと思うんだ。だって総合病院も自分の処も 診察してるんだろう?
それなのに 俺 今夜から居なくなるって訳で。
会社に行って荷物積んで 高速使って 南へまっしぐら。積み荷を下ろして更に南へ行くことになって。
夕飯食って 仮眠取ろうとして メールしたんだ。
誘ってもらったのに 時間取れなくて すんません。
ってさ。
そしたらすぐ 返信が来て。
なんか メールがすぐ来るって くすぐったいような 嬉しいっぽい。
次の夜も おんなじように メールして。話題が無いから スゲー事故見ちゃった なんて下らねー話をメールしたら ノッテくれて どんな?とか 巻き込まれなかったか?とか 事故に充分気をつけて。とか。
なんか 俺を気遣ってくれるような メールでさ。
心が なんか ほっこりしちゃってさ。
そんなメールのやり取りを2~3日して
仕事のことメールで聞かれたから ひとつ終わって 飯食って これから休憩って 返信したら………
携帯に着信!
メールじゃなくて。
「はい。山科」
「あ 千春さん?今 話せますか?」
「大丈夫っすよ。すいません」
「いいえ。メール ありがとう」
「こっちこそ。あん時は 時間取れなくて。せっかく誘ってもらったのに」
「酒は逃げて行きませんから。今度一緒に 飲みましょう。時間取って下さいね。絶対ですよ」
「はい。飲みましょう。じっくり腰据えて」
「今はどの辺に居るんです?」
「関西の先の方です。」
それから 飯は食ったのか?
とか
何食ったんだ?
とか
天気はどうだとか 何時間で どこら辺まで行くんだ?とか。
どうってことない 話を きかれるまま話して。
あの グッとくる イイ声なんだよな。
聞いてて 何か こころよい 心地イイ 聞き惚れる
何か 良い 声なんだ。
困るくらいに 良い声なんだ。
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