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俺、谷崎 夏生 と 誠也の出会いは大学の入学式だった。
誠也は入試をトップの成績で入学し、入学式の挨拶をしていた。
舞台に立つその姿は堂々としていて綺麗だと思った。
入学式の後、気まぐれで誠也に声をかけた。
「ねぇ、あんた。さっき挨拶してたヤツだろ?」
「…そうだけど。なんか用?」
素っ気ない態度。
感じ悪いなぁって思ったけど、仲良くなったら笑ってくれんのかな、とか思うと嫌な気はしなかった。
「俺、まだ大学に友達居なくてさ。」
「…。」
「これから仲良くしていこーぜ!」
「…別に俺は、ここに友達を作りに来たわけじゃない。」
そう言って誠也は俺の横を通り過ぎてしまった。
それから1ヶ月後。
友達も増え、誠也の事もあまり気にしなくなっていた。
学部も違い、接点がないため会う機会が無かったからだ。
しかしある日、友達と行った居酒屋で誠也かバイトをしている所に偶然出会った。
「あれ、お前入学式の人!」
「あっ…。」
誠也は会いたくなかったかのように嫌な顔をする。
「お前、名前なんだっけ。」
「…。」
「おーい、聞いてる?」
「…高橋 誠也。」
「おっけー、誠也ね。俺は谷崎 夏生。」
「…。」
面倒くさそうな顔。
まぁ自覚はしてるけど。
「誠也、またな。」
って言ってもまたなんて来ないかもしれないけど。
でも次があるなら。
次は連絡先でも聞いてみようと思った。
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