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涙が流れていることに気付き、必死に拭う。
気付かれては...ダメだ。
少しだけ苦しくなってきた呼吸を落ち着かせるように、深く息をする。
国立大学卒の大地とは違い、学歴は中卒で病気ばかり。
何もできない僕を少しでも愛してくれる人が現れたことが奇跡なのだ。
_____今はこうなってしまったけれど。
お互いに本気で愛し合っていたときも、あったと思う。
月日が流れるにつれて、僕たちの関係は狂ってしまった。
手がかかる僕を支えることに、疲れてしまったのかもしれない。
大地が浮気しているのは、僕のせいじゃないか。
僕と一緒にいることで、大地には何のメリットもない。
むしろ、デメリットしか生まれることは無い。
最初から、無理な話だったのかもしれない。
こんな僕が、誰かに愛されることなんて。
____僕の両親が、僕を愛してくれなかったように。
愛される資格なんて、最初から持っていなかったのかもしれない。
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