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「少しだけ、距離を置こう」
聞いて最初に思ったことは“やっぱり”だった。
必死に流れそうになる涙を堪えながら。
「ううん、別れよう」
ついに、今まで言おうとしても言えなかった言葉を口走ってしまった。
「優人...?」
距離を置くのも、別れるのも変わらないようなものじゃないか。
なんでそんなに驚いた顔をするんだろう。
「別れよう、大地
僕、明日ここを出て行くから」
「行くあては、あるのか?」
あるわけない。
僕には、大地しかいない。
「僕も...大人なんだよ
一人暮らし、してみたかったんだ」
思ってもいないことばかりを口にする。
でも、今は強がらないと。
涙が溢れそうになるのを止められる気はしなかった。
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