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「優」
「もう、別れたんだから
僕に構わないでよ」
何かを言いかけた大地を遮る。
「優人...俺は、別れることを了承なんかしてない」
大地自ら話を切り出したと言うのに、なんて酷い顔をしているんだろう。
そんなに悲しそうな顔をされると、泣きたくなってしまう。
抱きついて“本当は別れたくない”って、言いたくなる。
“置いていかないで”って、言いそうになる。
“寂しい”って、言いたい。
「っ...お願い、別れて」
顔を隠すように伏せて、本心とは真逆のことを言う。
これは、大地のためなんだ。
僕のわがままで、彼の人生をこれ以上狂わせてはいけない。
僕が大地にしてあげられる、唯一のこと。
大地を、解放してあげなきゃいけない。
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