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僕もキッチンへと向かい、つばきの隣に立った。
つばきはやかんに水を入れ、お湯を沸かしている。
「年越しそば。大晦日に食べるのが昔からの風習なんだぞ」
「へぇー。そうなんだ…」
そんな風習もあるんだ。
大晦日も知らなかった僕。当然、年越しそばの存在も知らなかった。
「もうすぐ、今日も終わるしちょうど食べるにはいいだろう」
「早い時間に食べるのは駄目なのかな?」
お湯を二つのカップに入れたつばきは箸とそばのカップを持ち、ソファーの前の机に運んだ。
僕はその後ろをついて行きながらこっそり呟いた。
「うーん。駄目じゃないだろうけど。元々そばを食べる由来は、今年一年の厄を断ち切るって意味だから、早い時間より遅い時間のほうがいいんじゃないか?」
「へぇーなるほど」
僕の呟きが聞こえたのか、答えてくれたつばき。
そばを食べるのにはちゃんと意味があるんだ…。
「ほらもうすぐ紅白も終わるぞ。歌披露はこの人で最後だ」
「あ、ほんとだ」
「紅白の決着を見守りながら、そばでも食うか。もう3分経っただろうし」
カップの蓋を開けたつばきは僕の前に一つおいた。
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