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「俺もミケとこうやって会えて、今となりにミケがいるの嬉しい」
「…………まただ」
つばきは昔からそうやって、無自覚に僕が照れちゃうようなことを言うんだ。
「そうそう。これのこと聞きたかったんだけど―――」
つばきが自分の首に巻かれている、赤いマフラーを指さしている。
「マフラー」
「うん。このマフラー、もしかしてミケが編んでくれたのか?」
「……えっ…」
自分で編んだとは、置き手紙にも書いてなかったはず…。
知られたくなかったから…。
「違ったらいいんだ。でも―――ミケが俺のために編んでくれたやつなら、すっげー嬉しいなーって思って」
つばきの笑った顔。
目尻にできるしわ、右頬にできるえくぼ。
「……つばき、ずるいよ」
僕は赤くなった頬に、手を当ててつぶやいた
「ないしょ。でもつけてくれてありがとう」
そう小さい声でつぶやくと、つばきは優しく微笑んだ。
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