アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-
わかってるけど、先ほどのつばきの姿が頭をちらつく。
すごい幸せそうだった。
つばきは優しいから頻繁にぼくのところに会いにくる。
でもきっとあの彼女さんは嫌だよね。彼女なんだからつばきと一緒の時間を過ごしたいに決まっている。
苦しい。ふたりが一緒にいるところを想像するだけで胸が締めつけられる。
自分の胸を両手で押さえて蹲る。
堰を切ったように涙が溢れだす。
つばきから離れよう。
紫村さんに家まで知られているから帰れないし……。
そういえばあのドラマでも失恋した女性が、彼の元を離れてた。
ぼくは思わずあのとき観たドラマのヒロインと一緒の行動を取ろうとしていることに気づく。
「おい、お前大丈夫か?」
蹲っていたぼくは近くで聞こえた男性の声に顔を上げる。
声の主はぼくの前に立って見下ろしている。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
187 / 227