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海辺のダイアリー
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────あのとき、でんしゃに乗ってやってきたのは、海がすぐ近くにみえる場所だった。
でんしゃに一緒に乗った彼はあのときまだ高校2年生で、そんな彼のお家は小さな民宿をしており、今はそこに住み込みで働かせてもらっている。
海が近くにあるからか、夏は旅行客でいっぱいで忙しいが、そのシーズンを過ぎるとお客さんは落ち着いている。
そんな日々を過ごして3年の月日が経っていた───。
ぼくは今朝帰られたお客さんが泊まっていた部屋の掃除をしながら、窓から見える海を見つめる。
つばきとは連絡は取っていない。
ううん、つばきの連絡先知らないから取る手段がない。
でも絹子さんとマスター、さつきさんにはあのあとすぐ連絡し、紫村さんのことなど全て話した。
さつきさんは電話口で「ごめんね。うちのお客さんが……」と泣いて謝り、ぼくもそれにつられて一緒に泣いてしまった。
「さつきさんは全然関係ないですよ」
そう伝え、この民宿のことを伝えたら、さつきさんは頻繁に遊びに来てくれるようになった。
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