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「おはよー」
部屋の外から挨拶する声が聞こえ、海から廊下側へと視線を移すと、あのときぼくを助けてくれた彼、芦屋郁人がいた。
「おはようございます。今から学校ですか?」
「おぉ。みけくんも頑張れよ」
芦屋くんは今、大学生で、でんしゃで1時間かかる大学に通っている。
「郁人!あらもう行くの?郁人におつかい頼もうと思ったのに…」
「おつかいなんて行ってる余裕ねーよ。じゃあな」
芦屋くんはお母さんに伝えながら、小走りで階段を降りている。
「おつかいなら、ぼく行きましょうか?」
「あらいいの?ごめんねみけくん」
「大丈夫ですよ。ちょうどお部屋の掃除も終わったところなので」
「ありがとうね。あー、みけくんはほんといい子だわー」
前半はぼくに、後半部分は大きな声で芦屋くんに聞こえるように話すお母さん。
「はいはい。みけくんはいい子だよなー」
靴を履きながら、それに答える芦屋くん。
そのやりとりが面白くて思わず笑みがこぼれる。
こんな何気ない日常がとても居心地よかった。
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