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しばらくの間、星空を眺めていたが、少し冷えてきた体に身震いした。
そろそろ戻ろうと立ち上がったぼくは、後ろに人の気配を感じ振り返る。
「────やあみけくん。やっとみつけたよ」
…………なんで…。
「君を探し出すのに時間がかかっちゃったよ。ごめんね。でもみけくんもいきなりいなくなるんだもん」
すらすらと息継ぎもせず一方的に話す、ねちっこくて嫌な声。
3年前にこの人から逃げ出してこの街にやってきたのに……なんで…。
ぼくは恐怖で一歩も動けずにいた。そんなぼくの手を握る紫村さん。
「一緒に行こう。今ならまだ終電間に合うはず」
紫村さんはぼくの腕を引っ張る。
「…………やめて……」
怖い。やだ…。
ぼくは握られている腕を離してもらうため思いっきり上下に腕を振るが、紫村さんの握る力には全然敵わない。
紫村さんに手を引っ張られ、どんどんさっきまでいた浜辺から離れていく……。
紫村さんは駅がある方へと大股でずんずん歩いていく。
まるで一刻も早くこの場から離れようと急いでいるよう……。
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