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つばきの匂い、かすかに香る石鹸の香りを思いっきり鼻に吸い込む。
つばきの体温を身体中で感じる。
つばきの体温をずっと感じていたかったが、つばきと想いが通じ合った、そんな安心からか一気に寒さを感じ、体が震えた。
そんなぼくにつばきは「帰ろう。送るよ」とぼくを抱きしめていた腕を離した。
ほくはうんと頷き、帰ろうと歩き出そうとしたぼくをつばきが呼び止める。
「───改めてミケ、俺と付き合おう」
まっすぐぼくを見つめるつばきは真剣な表情で、そんな表情もやっぱり好きで───。ぼくは思いっきり首を縦に頷く。
「つばきよろしくね」
つばきはぼくの好きな目尻の下がった笑顔を浮かべ、「こちらこそよろしくな。ミケ」とぼくの髪を優しく梳くように撫でる。
つばきの温かい指が、悴んだ耳朶に当たる。
つばきがこんな風にぼくの髪を優しく梳きながら、ドライヤーで乾かしてくれていたのが好きだった。
「行こうか」
つばきは撫でていた髪から手を離し、その手でぼくの手を握る。
ぼくはつばきと想いが通じ合った。
それがすごく嬉しくて、つばきの手を強く握り返した。
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