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灰色生活に最大な優しさを
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「俺は、卯海椿(うみ つばき)」
「……うみ」
「どっちが名前かわからないような、ややこしい名前だけど…」
右側にできてるえくぼをじっと見る。
「………うみ、うみ、うみ…」
小さく何度も男の名前を呟く。
「――いや、できれば、苗字じゃなくて名前で呼んでほしいんだけど…?」
「……つばき?」
「そう。俺の名前にぴったりだろ?」
にやにやと得意げな顔で笑ってる。
僕はぴったりかどうかなんて分からなくて、首を傾げる。
そんな僕を見た、つばきは目をガーッと見開く。
大きい瞳が、これでもかというぐらい大きくなって、ちょっと恐い。
「椿の花言葉、知らない?」
……花言葉って何だろう…?
「知らないのか。そうか。まぁ気が向いたら調べてみろよ」
「……つばきって花なの…?」
小さな疑問をふと口に出してしまっていた。
「そこからかよ。椿の花見たことないか?」
僕は首を思いっきり振る。
つばきは、「なるほどな…」と小さくつぶやき、ポケットから取り出した黒色の機械を指で操作している。
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