アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
灰色生活に温かい兆し
-
つばきの体温が心地よくていつの間にか眠ってしまっていた。
昨日の夜、ソファーでうたた寝してしまっていた僕をベットまで運んでくれたつばき。
2日続けて、つばきの匂いの染み付いた布団で眠れることを幸せに感じた。
でもそんな幸せな気持ちの僕を打ち壊すように、嫌な夢を見てしまった。
ニヤニヤ顔で俺を組み敷いて、上から見下ろす、無精ひげの男。
何度もやめろ、と言ってもきかず、僕の手をロープで縛る。
そのまま嫌がる僕なんてお構いなしに、自分の性欲だけを発散させるように動く腰。
気持ち悪くて、痛くて、一生あのニヤケ顔を忘れることができない――。
パチっと目を開いたときには、涙が溢れ出ていた。
僕は一気に不安に駆られ、キッチンにいるつばきのもとへ近づいた。
つばきの優しい声。眉まで下がり、目尻にしわができる優しい微笑み。
右頬にできるえくぼ。コーヒー色の瞳。
何もかもが僕を安心させる。
こんなにも優しいつばき。
いつも貰ってばかりの僕、何かつばきの役に立つようなことがしたい。
そういう感情を密かに抱いてしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
32 / 227